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2005年08月08日 |
『特攻花』を撮りつづける23歳女性カメラマン、仲田千穂さんインタビュー |
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今朝は若手女性カメラマンの仲田千穂さんをスタジオに招いてお話を伺いました。 仲田さんは京都出身の23歳。 大阪を拠点に広告やファッション関係などのプロカメラマンとして活躍されていますが、この夏、太平洋戦争に関係する写真集を出されて、今東京でも写真展が開催されています。 写真集のタイトルは『特攻花』。花の写真が中心の写真集です。
「特攻花」とは、鹿児島県の喜界島に咲いている天人菊という花のことです。喜界島は鹿児島と沖縄の中間に位置し、特攻隊の中継基地があった島。特攻隊の若者たちが出撃する際に、島の娘たちにこの花を渡されたのですが、「花も一緒に散っていくのは忍びない、、、」という思いからか、飛び立つ際に花を空から落としたり、滑走路にそっと置いて行ったりしました。その花の種が風に舞って、今でも滑走路の周辺だけに群生しているといいます。はっきりした記録が残っているわけではありませんし、作り話だという人もいますが、島の人はこの花を「特攻花」と呼んでいます。
仲田さんは4年前、19歳の時に学校の授業で先生から特攻花の話を聞いたそうです。それまで戦争や特攻隊について特に興味はありませんでしたが、この「特攻花」のストーリーは心に響いて、どんな花なのか見てみたいと思って、その年の夏に喜界島を訪れました。実際に見るまではすごくかわいそうな花なんだと思っていたそうですが、実際に見ると印象が違いました。カラカラに乾いた堅い地面に咲いていて、可憐さのなかにも強さのある花だと思ったそうです。
その年の12月に開催された学生展に「特攻花」の写真を出品したところ、戦争を知る年輩の方がこの写真を見て泣いていました。仲田さんは自分の撮ったものがこんなに人の心を動かすことができるのかと驚き、プロカメラマンを目指すようになりました。夢が叶い、現在は広告やファッション、アーティスト写真などを中心に仕事をされていますが、自分の原点としてそれ以来5年間、毎年喜界島に行って特攻花の写真を撮っているそうです。
写真集には、花だけではなく写真をきっかけに出会った方々も登場します。特攻隊員の生き残りの方や、島で特攻隊員の世話をされていた女性など、多くの人と出会って話を聞くことが出来たそうです。それまでは、戦争なんて歴史の教科書に出てくる話で「大化の改新」とかと同じ感覚だったのですが、実際に経験した人の生々しい話を聞いて、実は身近な出来事だったんだと気づきました。特攻隊員だった方が「花の写真を撮って、戦争の話を聞いて、若い人に過去を伝えてようとしてくれるのは、若い隊員たちの死が無駄ではなかったあかしになる。こんなに嬉しいことはない」と言ってくれたそうです。
7月には大阪で「特攻花」の写真展を開きましたが、13日間で4000人以上の人が来てくれました。年輩の人も、仲田さんと同世代の若い人もたくさん来てくれたそうです。仲田さんは「特攻花」をこれからも自分のライフワークとして撮っていくとのことです。
★仲田千穂さんの『特攻花』写真展の会場は、 六本木ヒルズから徒歩1分の「カフェ・フランジパニ」(03−3478−2966)。9月10日までの開催になります。
★なお、写真集は会場のほか、六本木ヒルズ内のツタヤでも扱っています。(関東ではまだ一般の書店では扱いがありません。仲田さん所属のスタジオ「七彩工房」のサイトからも購入できます。 http://www.elstage.com/nanasai/)
担当ディレクター 長谷川裕 |
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