写真は9月2日(土)に新宿区の浄圓寺で行われた「多文化共生防災実験」の中の消火器訓練の様子です。
東京消防庁の職員の説明で、次々と参加者が消火器を実際に操作しました。
この実験は「多文化探検隊」というイベントの締めくくりとして「探検隊実行委員会」に連合東京のボランティアチームや都の職員組合などが協力して行われたものです。
消火器訓練の他には応急救護や担架搬送、非常食の炊き出し、多言語による災害放送などが行われました。
9月1日には全国で大規模な防災訓練が行われ、この実験の翌3日は石原都知事肝煎りの自衛隊が参加した防災訓練が東京で行われました。
それらに意義がないとはいいませんが、この「多文化防災実験」はそれらに比べて規模は小さいですが、多くの外国人が住む街、東京でははるかに意義のある訓練だったのではないかと思います。
日本人の参加者の一人は「自分の家の近くであった訓練は、ただ見ているだけという感じだったけど、きょうの訓練は日本人も外国人も一緒に自分自身を守らなくてはならないということが実感できた」と話していました
さて「多文化探検隊」は人材育成コンサルタントの辛淑玉さんらが企画し、ボランティアの協力で、街の探検や、勉強会、コンサート、見学会などおよそ70のイベントを8月から9月にかけて行いました。
私も(現場にアタックを聴いた方はある程度は察せられると思いますが、)
これまでかなり個人的な興味であちこち探検してきましたが、より深く知ることができればと、荒川区「三河島」の探検に加わりました。
市場や、韓国料理店、朝鮮の民族学校、キリスト教の教会、ハングルで書かれた看板やビラ、韓国、朝鮮籍の人が多く住む街らしい風景を目にする事ができました。
またそれ以上に案内をして下さった、宝石店経営のオ―・ユンビョンさんの話も興味深いものでした。
呉さんは「コブクソン子ども会」を組織、運営しています。
この会は、在日コリアンも2世、3世の時代となり民族的なことを学ぶ機会がなくなっていますが、子供達が民族のことば、歴史、文化を学ぶ場として設けられているものです。ことばの勉強のほかに舞踊教室や、太鼓教室などもあり、在日コリアンの催しだけでなく、荒川区内での行事にも出演、交流してきました。「本名就学」の経緯など、ただ街を歩くだけでは得られない話を伺うことが出来ました。
日本、特に東京周辺には多くの外国人が住んでいます。多様な文化を持つ人達の生活や抱える課題を知って、日本人と違うからといって排除するのではなく、共に同じ街に生きて行く方法を考えようという「多文化探検隊」。
来年もぜひ開催し、沢山の参加者を集めて欲しいと思いました。
また個人的な感想として、「多文化探検」は一人でもできます。(案内人がいればもちろん理解は深まりますが)。東京中心に近くなくても、日系のブラジル、ペルーの文化に触れる事ができる街もあります。
アイヌや沖縄の文化に触れる事ができる街もあります。
ふだん歩いている道でちょっと目をこらすことで、新しい発見があり、それが「共生」につながっていってほしいものです。
リポーター 崎山敏也