第7話 2013年8月29日放送
恭之助の告白
走るあやめ、慣れない着物で、転んでしまう。
あやめ「！！」
立ち上がろうとして、草履の鼻緒が切れたことに気づく。
あやめ「…」
草履を持ち、足袋のままのろのろと歩き出す。
そこに、走ってくる恭之助。
恭之助「あやめ！！」
立ち止まるあやめ、慌てて涙を拭う。
恭之助の顔を見られず、背中を向けたまま、
あやめ「…カッコ悪いね…。でも、これが本当の私」
恭之助「…」
あやめ「私ね…、実は河村くんに、ちょっと嘘ついてたんだ」
恭之助「ウソ？」
あやめ「…ヒロくんと別れたのは、彼のために身を引いたとか…そんなカッコいいことじゃないの」
恭之助「…」
あやめ「…怖かったの。私を選んだことを、ヒロくんが将来、後悔するのが」
恭之助「…」
あやめ「私は…ヒロくんに嫌われたくなかっただけ」
恭之助「…」
あやめ、恭之助に向き直り、自虐的に笑って、
あやめ「さっきの婚約発表も、お祝いする気になんてなれなかった。お父さんのことだって、本当はちょっと恨んでる」
恭之助「…」
あやめ「河村くん、私のこと『すごい』なんて言ってくれたけど。全然ちがうんだよ」
恭之助「…」
あやめ「何で？私ばっかこんな目に？って心のどこかで思ってる…」
恭之助「…」
あやめ「サイテーでしょ？私は……そういうダメな人間なの」
恭之助に背をむけ、去って行こうとするあやめ。
恭之助、あやめに駆け寄り、前に回りこむ。
恭之助「だから何？」
あやめ「…」
恭之助「カッコ悪くって、何が悪いんだ」
あやめ「……！」
恭之助「あやめはそれでも頑張って、笑って前を向いて歩いて来た、強い女の子だ」
あやめ「…」
恭之助「だから俺は…あやめが好きだ」
あやめ「…え？」
恭之助「…好きだった。ずっと前から」
あやめ「！！」
恭之助「この先も、俺は絶対に、あやめ以外の子は好きにならない」
あやめ「…」
恭之助「…」