現場レポート

木村さんはそこで後ろ手を縛られた状態で (自分の計算通りには転がれないのです…) あれだけの熱演をされたのですから、ケガのないはずはありません。身体のあちらこちらに擦り傷を負ってしまったようで、カットの声がかかると 「 ガチで痛ぇよ！ここ、いろいろ尖っていて思っていたよりもイテェ〜！」 と、思わず口走っていらしたほどでした。木村さん、とかく膝については相当強くぶつけてしまったらしく、しばらく足を引きずって歩いていらっしゃったんですよ。

そんな白熱のシーンを撮り終えた木村さんに近づいてみて… なぜこのシーンが最終日に残されていたのか、大いに納得。髪はアッシュ、衣装は埃まみれで真っ白しろ… ウン十年も埃がたまっていたような場所でゴロゴロともがき続けたため、木村さんはまるで 『 浦島太郎 』 の物語に登場するおじいさん のような状態だったんです (笑)。「 なんか本気のケンカをし終わったあとみたい。俺、クランクアップの日なのにスゲー身体張ったよね (笑)」 とは、ご本人の談。もしかしたら、たったひとつしかない大切な衣装が破けてしまう可能性すら秘めていたこのシーン。それを懸念したスタッフたちが、このシーンをスケジュールの最後の最後に組み込んだのだなと思いました。

ちなみにあのシーン、(まったく違和感なかったと思いますが) 実は、撮影の途中で日が落ちてしまい、昼間の光を照明で演出 していたんですよ。 ( → )