インタビュー
演じられたミチさんという女性は、どんな方だと思われますか?
ミチという女性は、それぞれの人生を歩んでいるテルや正祐たちに、風のようについて行っているような印象ですが、その人生の原因を作っているのはミチですので、責任も感じている女性だと思います。
娘のテルに先立たれてしまったけれど、3人の子どもを持つことができ、母親として幸せだったと思います。
しかし、夫に先立たれたり、子どもを養子に出したりと、辛い思いをたくさんしたと思いますが、そんな境遇の中でも、しっかりと生きてきた強い女性だったと思います。
テルという女性を見て、この時代の女性についてどう思われますか?
現代の女性は強くなったと言われますが、いろんな時代の女性を演じさせていただくと、昔から女性は強かったんだなと思います。ミチは後添いということもあり強く出られず、前妻の影を追っている夫の愛情をあまり受け入れられない中、それでも夫に尽くして生きていくというところには、女性として、母親としての強さを感じます。
旦那様に何か言われるとそれ以上何も言えなかったりするんですけれど、それは弱さではなく、家庭を守るという意味での強さだと思います。
演じていて、印象的だったシーンを教えてください。
子どもたちがとにかく可哀想で、どのシーンも、ものすごく泣けるんです。 ミチは、末っ子の正祐を養子に出している、妹が嫁いだ上山文英堂の後添いになりましたが、ずっと正祐には母親だと名乗れませんでした。それだけに、正祐に母親だと名乗るシーンは、しっかりと言ったほうがいいのか、これまで心の中にしまっていたことを爆発させていいのか、母として子どもの前で泣くことだけがいいことではないと思いますし、とても悩みミチの気持ちからなかなか抜けられませんでした。
上戸彩さん、今井翼さんとの共演はいかがですか?
彩ちゃんとは何度か共演をしているのですが、とにかく明るくて彼女がいると現場の雰囲気がいいんです。現場での気遣いなど、完璧な方です。今井翼くんとは、久しぶりの共演なんです。その時は彼がまだ10代の頃だったので、姉のような、母のような「よく育ったね」という気持ちです(笑)。いい役者さんになっていて、嬉しいです。
「金子みすゞ」の詩について、どう感じていらっしゃいますか?
今回のドラマ出演をきっかけに、彼女の壮絶な生い立ちを思い返しながら読むと、タイトルとなっている「みんなちがって、みんないい」という詩も、身につまされる思いがします。また「わたしと小鳥と鈴と」には、優しさや、運命に負けず強く生きてきた彼女自身の思いが詩に込められていて、大好きです。悲しいがゆえに温かい詩が多い気がします。
メッセージをお願いします。
とても悲しくて、でもとても力強くて、心温まるそんな素敵なドラマです。必ず皆さんの心にずしんと来るものがありますので、是非ご覧になってください。必ず満足していただけると思います。