黒木華さんとは『舟を編む』という作品以来の共演です。そのときも出版社の編集部の話でしたが、僕が演じていた役はお調子者というのか、テンションが高い役だったんですね。今回は黒木さん演じる心が元気なテンションが高い役柄で、僕はどちらか言えば冷静でクールな役柄。お互いが真逆のキャラクターなので演じていて新鮮ですし、今後も演じるのを楽しみに感じています。
普段あまり漫画を読まないのですが、読まないからこそおもしろいと感じる漫画だなと思いました。漫画から漫画のことを学べるというのか、「いかに多くの人達が漫画を支えているのか」「どのような工程を踏んで我々の手に届くのか」…それらの全てにドラマがあり、人々の努力や想いがある。同時に、それはどんな職業にも当てはまる、とても普遍的な話ですもんね。人と人が本気で向き合い、全力でゴールを目指す姿は、やっぱり胸を打ちます。
一般的に、漫画に出てくるキャラクターは、わかりやすく描かれていることが多いと思いますが、この役は(クールなキャラクターなので)感情の起伏も表情もあまり大袈裟に描かれていなく、その温度感をどう演技に置き換えるかが、自分なりの五百旗頭像につながると思っています。バイブス編集部はキャラクターの濃い人たちばかりですが、五百旗頭はいたってフツーです。一見地味に見える五百旗頭ですが、しかし編集部になくてはならない、要のような人物です。抑えめな印象でありながら、大きな存在感、そんな五百旗頭らしい在り方が出来ればと思っています。
編集の方が何をしているのかまったく知らなかったので、すべてが新鮮です。漫画のセリフの字の大きさも編集者が考えると聞きました。漫画が出来ていく過程、知らなかった世界を学べて、とても興味深いです。
漫画は、日本が世界に誇れる文化の1つですよね。そういった日本が世界に胸を張れる文化への理解を深めて、漫画も今までよりも手にとって読んでみたいなと思いました。
先ほどもお話しましたが…あまり漫画は読まないのですが『じゃりン子チエ』だけは全巻持っていました。全巻揃えて読んでいたのは、その作品だけですね。やはり関西の文化が、自分が育った環境に染み込みやすかったというのもあると思いますが、とにかくキャラクターがそれぞれ魅力的でとてもリアルでした。人間関係など、様々なことをあの漫画から学ばせてもらったような気がします。
やはり純粋に一生懸命に物事に向き合う姿ですね。自分の仕事に対してはもちろん、関わる全ての人に対して真っ直ぐに、一生懸命に向き合う、それはとても素敵なことだと思います。そこが彼女の一番の魅力ですね。
安田顕さんとは、今回はじめましてなのですが、多くの方が今まで共演した事のある方々なので、現場では安心して撮影に臨めます。
そして、何より尊敬する松重さんと共演できるのが嬉しいですね。10年以上前、初めてお仕事したときはヤクザの役を演じられていて、追い込まれる関係性だったのでメチャメチャ怖かったのに、その数年後、三木聡監督の作品で再び松重さんとお仕事することになったときは、完璧なコメディを演じられていて、その質の高さに驚かされました。ヤクザを演じても、コメディを演じても一流ですし「とんでもない人だな!」と思っていたら、今度はグルメもやられていて…本当に振り幅がものすごい『アーティスト』です。一緒にお芝居することが楽しみというよりも純粋に尊敬しています。
漫画は作者1人で作り上げるのではなく、たくさんの人の力で最高の作品に仕上げています。そこには、作品への愛情を忘れない一生懸命な人たちが、誰かの為に身を捧げながら頑張っていく姿があります。いい結果を残すには、ウソ偽りなく、純粋に、正直にぶつかっていく事だと思わせてくれる熱いドラマをお楽しみください。
黒木さん演じる心から、明日への活力を貰えると思います。