「なぜね、『思いついたように言った』という嘘をおっしゃるのかね。こんなもの、思いつきで発言できることじゃないです。22回も首脳会談、一体何をやって来たんだろう、両首脳は。で、元に戻ったということなんですけども。
私、外から見てましてですね、もう当然の帰結だろうと思うんですよ。元々彼らはね、平和条約の締結後にですね、初めてこの歯舞・色丹、2島の実際の引き渡しをするというようなことは共同宣言で声明で出してるわけでね、1956年ですか。だけど実際問題として、国後・択捉はですね、もう軍事基地を着々と整えてですね。それで日本のですね、国民の墓参とか色々なものについても色んなことを言ってるわけでしてね。最初からですね、こういう結論を、そういう宣言を変える気持ちは全くロシアにはないと、というふうに私は思ってまして。それで個人的な付き合いでですね、プーチンと安倍さんがですね、なんとかこれを乗り切ろうというね、考えが非常に甘いと思うんですね。
それから、日露関係はですね、日露だけ見ててはダメなんで、やっぱりロシアを巡るですね、中国とあれだけ長い国境を接してる国はですね、簡単には上手くいかない。しかしながら、たまたま今は良い方向に進んでると。そうすると日本の位置はですね、プーチンさんにしてもね、それほどの重要性を持たなくなってくる。ということを考えないといけないわけですね。
だから、外交というのはやはりね、その国を相手にするだけではなくて周辺諸国のですね、関係を頭に入れながら対応してく必要があるだろうと。そういう意味で明らかにですね、私はこのロシア問題について外交上のね、やはり戦略と言いますか、ある意味はですね、非常にまずい結果が出てきたんじゃないかと思いますね」
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