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第七〇六回('18年7月29日 放送)
「被災地救済」と「宴会」と「カジノ」と「6増」と「財政再建」

ゲスト: 中谷元 氏/鴨下一郎 氏

御厨

「さあ、石破派の参謀の鴨下さん。今回の岸田さんの突然の出馬断念。これをどうご覧になっています」

鴨下

「石破派という立場ではなくですね、私も岸田さんとは同期でありますし、親しい友人でもありますので、さぞかし様々な葛藤はあったんだろうと思います。実際に岸田派の若手の皆さんの中には、戦いたかったということをおっしゃる人達もおいでなるやに聞いております。

岸田さんがもし、こういうふうに不出馬ということになればですね、不出馬の時の理由と言いますか、こういうもの。あるいは、政策で安倍さんとは異なることもあるというお話もなさってましたので、しっかりと国民の見えるところで、どういうところが異なるところなのか。こういうことについて、もう少し明確におっしゃって頂けたらなと思いました。その岸田派の去就と言いますか、これについてはまだ一か月以上もありますので、それぞれ考えられることなのだろうというふうには思います」

御厨

「中谷さんはいかがです」

中谷

「やはり自民党の中に多元的な勢力を作るということ。これはやはり国民に代わって自民党の中でですね、いろんな意見を議論して政策決定をしていくということで、私は必要なことだと思いますし。総裁選の中で、経済にしても外交にしても、いろんな論点を議論して、決着したことはそれに従うというのが自民党の基本だというふうに思います。

そういうことで、これから総裁選が開かれますが、やはり今、安倍一強と言われてますけども、自民党の幅が官邸の幅になるのではなくて、やはりそれ以上に広い幅の中で官邸の中で仕事ができるように。やっぱり自民党という受け皿はですね、国民の意見を対応できる政党であるという意味においては、しっかりとした総裁選が行われるべきだと思います」

御厨

「しかし、世論調査ではですね、石破さんが安倍さんと拮抗する、そういうのもあるんですね。党内の議員の多くが、すでに6割安倍支持だというんです。安倍3選の見方がこれで広がっているのを鴨下さんはどういうふうにお考えでしょう」

鴨下

「総裁選ということそのものがですね、やはりこれは自民党だけのためではなくですね、与党自民党の総裁を決めるということは、即、総理大臣が決まるということでありますので。いわば神聖な、と言いますか、民主主義的に言えば重要な舞台であります。こういうところをきちんと、それぞれ総裁を目指して立候補する人たちは身を清めて、そして背筋を伸ばして、しっかりと国民の皆さんに議論を見て頂くと。こういうことが総裁選の位置付けなんだろうというふうに思っておりますので。まだまだこれからですね、国民の皆さん、そして今お話ありましたように、一般の国民の皆さんの世論調査で拮抗している。

で、党の党費を払って下さっている党員の皆さん、そういう方々の世論と言いますか、これで総裁は決まるわけですけども。私、今までの経験則から言うと、一般の国民の皆さんのマインドと、それから党員の皆さんの考え方というのはほとんどパラレルなんですね。ですから私はそういうことをですね、それぞれの派閥に所属している議員の皆さんもですね、地元に戻られて、有権者の皆さん方の声をしっかりと受け止めて、そして最終的に誰がふさわしいかということをですね、総裁選というのは本当に重要な選挙ですから。そういうようなことで、それぞれが襟を正して決断して頂きたいと思います」

御厨

「中谷さん、いかがですか」

中谷

「自民党の国会議員と言えども、有権者、そして選挙区から選ばれた国会議員なんですね。ですから、有権者の意見も様々ありますが、国会議員としてこうあるべきだという考えをみんな持っていると思うんですね。ですから、戦わずして楽を選ぶよりは、やはり常に自分の考えを持って、それを実現するにはどうしたら良いのかを考えながらですね。

総裁選も2か月ありますけど、その中で、どの候補者が良いのかということを選ぶのが本当であって。まだ始まってもいないのにですね、決定したということでは、自民党としてはその機能を発揮していないんじゃないかと。やはり、堂々としたルールの中で、しっかりとした政策論争の末でですね、きちんと相応しい方を選ぶべきじゃないかというふうに私は思います」