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第六九五回('18年5月13日 放送)
 「信なくば立たず」

ゲスト: 枝野幸男 氏/片山善博 氏

御厨

「繰り返しの『“セクハラ罪”はない』との麻生大臣の発言。枝野さん、どうご覧になる」

枝野

「この問題は、実は対応が難しくてですね。被害にあわれた方の二次被害というようなものを防ぎながら真相を明らかにして、責任の所在を明らかにしていかなきゃならないという性質のものなので。なかなか例えば、説明を外に向かってして良いのかどうか、二次被害に繋がりかねない、ということを気を使わないといけないような案件なんですよ。ところが、自ら、二次被害を自分で作っている。しかもそれを繰り返しているというのは。まあ、少なくとも麻生大臣ご自身がこの問題についての感覚が決定的にずれていると。ということは、流石にこんなに繰り返されていると、単なる言い間違いとかそういうレベルではなくて、物事の本質を理解されていないと。で、その結果として、これは実際にこの福田前次官の問題で被害にあわれた方だけではなくて、これまでにこうした問題で被害にあわれて、精神的に苦痛を負われたすべての国民の皆さんに対して、二次被害を与えていると言わざるを得ないというふうに思います」

御厨

「片山さんいかがです」

片山

「財務省の研修会の講師の方が、さっきご紹介ありましたように、『財務省の対応は世の中とずれている』と。その通りだと思いますね。何となくですね、四半世紀以上前の役所なんかの当時の雰囲気なんかを彷彿とさせるような、そういう発言だと。麻生さんの発言はそう言う発言だと思いますね。財務省全体がこうなのかっていうとになると、かなり深刻ではないか。もうひとつはですね、ちょっと麻生さん、なんとなくその組織の長であるんですけど、ちょっと評論家的な発言が最近多いですね、この問題をめぐって。でもね、次官のこの問題というのは、次官の職務に関連して起きているわけですね。全く仕事として関係なく、次官という立場と関係なく起きているわけじゃなくて、次官だから重要な情報源だということで、マスコミの皆さんも取材対象にするわけで、その過程で起きているわけですから。組織の在り方として、もっと、組織のトップだから今回の問題を深刻に受け止めなきゃいけない。そういう意識というのが感じられないような印象を受けますよね」

御厨

「麻生大臣は、『福田氏が女性にはめられて訴えられているんじゃないか、との意見もある』と発言をしたり。そして、その後も『可能性は否定できない』と発言したりしていて。それはその後、撤回をしていますけども、枝野さん、これどうでしょう」

枝野

「まさにその都度、二次被害を自ら生み出しているわけですから。まあ、世代的にですね、こういう問題に鈍感な世代であられるというのは、理解しないわけじゃないので。一度はともかく、二度、三度繰り返しているという話はですね。これはもう全く時代に取り残されてらっしゃるし。そうした方が副総理・財務大臣として、これ残念ながら世界各国にこのニュースは出ているわけですよ。わざわざ海外で記者会見だかぶら下がりした時に、そのような発言をされているわけですよ。これ本当に、ダイレクトに国益にも関わる問題になってしまっているというふうに思います」

御厨

「片山さん、どうでしょう」

片山

「こういうその発言というか、反応があるので、被害を受けた女性はなかなか、このことを申し出にくかった。なまじ申し出ると、お前がはめたんだとか、お前の方が誘ったんじゃないかとか、お前に隙があったんじゃないかって。以前からそういう反応ってありましたよね。だから、被害を受けても黙っておかなきゃいかないっていう状況があったわけで。それじゃいけないので、ちゃんと正しましょうねっていうのが今日だと思うんですね。すごく先祖返りをしたような、昔に戻ったような反応だと思いますね」