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過去の放送 出演者 時事放談「サロン」 テレビプロデューサーの日々
 
 
第六九二回('18年4月22日 放送)
 「『トランプ大統領』と『安倍総理』と『加計・森友』と」

ゲスト: 中谷元 氏/田中均 氏

御厨

「さあ、中谷さん。セクハラ問題。ズバリどうご覧になります」

中谷

「財務省のトップでありますので、出処進退の仕方、『混乱をするから仕事が出来ない』ということでは納得できません。前の佐川さんの方もそうなんですけれども、なぜ辞めるのかということも非常に判断が遅いし、対応が非常にこの組織論的なですね、お上意識の下に、高を括っているような、国民をなめているようなですね、ことで誠実さを感じないわけですね。特に、この弁護団を雇って、『名乗り出よ』とかですね、そういった態度で本当に誠意が伝わってくるのかなということがありますので。やはり、はっきりして欲しいんですね。で、もう積もり積もってます。書き換えの報告も未だ明らかになっておりませんし。他の省のことなんかにしてもですね、この証拠の文書が出てきてもですね、記憶にないと言うままではですね、国民の納得がいかないわけでありますので。やはり日本の行政の信頼を確保する上においても、そのトップたるものにおいては、こういった公共性から考えてですね、しっかりとこれ説明をして、そして自らの出処進退を明らかにすべきだというふうに思います」

御厨

「田中さん。財務事務次官のセクハラ問題どうご覧になります」

田中

「はっきり申し上げさして頂くけれども、全て同訓だと思うんですね。モリカケの問題、これは忖度と言われた。それから、いろんなことが、赤裸々な、嘘が平気でつけるということですね。今もいろんなことが出てきてますけどね、隠ぺい体質。防衛省の日報なんかもそうだと思うんですね。それから、このセクハラ問題で弁明にならない弁明を平気でできるといったことですね。やっぱり強い権力があって、その権力の庇護を受けてるというところからね、やっぱり権力としても非常にアビューズというか、乱用。でないとね、ああいうことを財務省の事務次官がテレビの前で平気で弁明をですね、と思うんですよ。それから、いろんなところで記録が出てきているのに、『記憶の限り会っていません』とかね、そういうことが言えるのはやっぱり権力に守られているということが根っこにある。それで結果的にね、それは官僚が悪いと思いますよ、そういう意味の使命感を持っていない。その結果ね、責任をとっているのがまた官僚なんですよ。みんな分かっている。その世論調査もそうだけど、一体、政治の責任はどこにあって、誰が政治の責任を取るのかということですよ。それが問題の本質であるにも関わらず、全てが、官僚がいかんのだというところで。これね、私が官僚だったから言ってるわけじゃないんですよ。日本のね、統治制度の問題として、これは具合が悪いんじゃないかと。やっぱり強い権力っていうのは自制しなきゃいけない。自制をしないでうそぶいてるというのはおかしいと私は思っています」

中谷

「私は今から30年前に、若手の時に宮沢総理とか財務大臣にお仕えしたことがありました。宮沢総理の口癖は『権力というものは出来るだけ使わないようにしなければいけないよ』という言葉でありますが。やはり、権力にあるものは、国民の気持ちを察してですね。そして誠実に、そして誠意を持ってね、謙虚にやらなければいけませんので。今回の一連の対処を見てましても、何か権力に、その中に逃げ込んでいるようなね、そういった対応で、これでは国民の理解は得られないなと思います」