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第六七三回('17年11月26日 放送)
 「『圧勝選挙』の後で〜突入『本格論戦』」

ゲスト: 石破茂 氏/増田寛也 氏

御厨

「さあ、林文科大臣や、鈴木スポーツ庁長官までが乗り出しての事態となりました。日本の国技での騒動です。石破さんの地元の鳥取で起きた暴行事件でもありますが、これ全体としてどういうふうに見てらっしゃいますか」

石破

「分からないことだらけでね、これはね。あんまり軽々に、ああだこうだおもしろおかしく言ってはならないねと思ってるんですけど。これ暴行暴行って言いますが、これもう傷害ですよね。ですから、相撲協会で明らかにすることも必要なんでしょうけど、きちんと警察の手でどういうことだったのか、ビール瓶という説あり、そんなことやっていないという説あり、やれカラオケのリモコンって説あり。何がなんだか分からないことだらけですよね。ですけど、それは貴乃花親方がこれうやむやにしちゃいけないよっていうそういう思いがある気がしますね。しきたりとかなんかそういうような陋習というかな、そういうものに囚われちゃいけないんだっていう、貴乃花親方の思いがあるような気がしますけどね」

御厨

「さあ、相撲に詳しい増田さん。どう思われます」

増田

「相撲の世界ってね、古いしきたりとか、部屋制度ですよね。それから、出羽海一門とか高砂一門とか、そういうそれを束ねるいくつかの系統があってね。弟子を強くしたいってことが、ともすればそんな事件もかつてありましたけど、無理へんにゲンコツだとかね、かわいがりとか、そんなことよく言われましたよね。私も見てて確かに竹刀でびちびち指導してる姿も見たことありますけども。だから非常に日本的な、縦社会のそういう色が濃くて。上下関係が非常に厳しい世界ですよね。本場所は別にしても巡業となると皆でね、巡業が終わった途端にバスでね、次のとこまで皆一緒になって動いていくっていうですね、ある種、なかなか外からは中がどうなってるか伺いしれない世界のように思えるんですよ。ですから、今回も情報が本当に入り乱れて何が真実なのかってよく分かりませんよね。まあ、これだけの傷害事件のような様子を示してきているのでね、結局警察が出てくると。被害届出ましたから。私は本来であればやはりこういうことは、相撲協会の中で、きちんと処理すべき話でもあるし。同時並行で行われていますが、やっぱり相撲協会に主体的に事実解明に動いてほしいなってそんな気はしますけどね」

御厨

「どうも相撲はですね、暴行事件で問題があってですね、これまでも再発防止ということをしたはずなんですが、また起きてしまったというわけですね。石破さん、この点はどうお考えですか」

石破

「これはね、相撲の世界に限ったことじゃないんですよね。再発防止と言われながら同じことが起こる。ですからそこはね、モラルの問題って片付けるつもりもないんだけど、国技なんですよね。で、日本の色んなそういう精神とか文化とか体現するものですから。そういうことが何度も何度も行われると、日本っていう国は一体何なんだいってことになってしまいますよね。ですから、それは、力士はスポーツ選手であるんだけども、同時に他のスポーツよりもまた違う立場があるんじゃないのかしら。国技ですからね。他のスポーツはそれで構わんとは私全く言いませんけど、やはり日本を体現する国技である以上は、力士の方一人一人にそういう自覚。また親方もそうですし、あるいは相撲協会もそうですし、そういうような思いっていうのをもう一度強く持つことだと思いますね」

御厨

「増田さんいかがですか」

増田

「日本人がずっとね、力士として活躍していた時代から、途中から入ってきましたのがハワイの人たちですよね。曙、武蔵丸とかね。そういった人たちが入ってきて、更には今ヨーロッパ勢とかエジプトだとか多国籍で色んな人たちが入ってくる。ですから、相撲も日本の独特の文化として根付いてきたものに、そういう他の国々の人達からも入ってきて、私はとっても良いことだと思うんですが。一方でそういう中で練習の仕方、それから伝統の受け渡しのようなことですよね、横綱っていう地位が尊い地位だってことも含めて。どうやって多国籍のお相撲さんたちにその精神を受け継いでいくのか、本当にそれが今いろんな問題で試されているんじゃないかなっていう気がしてならないですね」