時事放談 トップページ 毎週日曜あさ6:00〜6:45
過去の放送 出演者 時事放談「サロン」 テレビプロデューサーの日々
 
 
第六六九回('17年10月29日 放送)
 「選挙を終えて〜今こそ出発」

ゲスト: 石破茂 氏/前原誠司 氏

御厨

「石破さん。世論調査では、与党が3分の2をとったことを『多過ぎる』というのが51%ありますが、石破さんはこれについては正直どう思われますか」

石破

「だから、そう思っておられる方が多いね、ということをよく肝に銘じましょうということですよ。ただ、3分の2が、3分の2が、とよく言われるんだけど、改憲に必要な3分の2とよく言われますね。でも、中身は何にも詰まってないんですよ。

例えば9条をこう変えますとか、前文をこう変えますとか、地方自治の部分をこう変えますとか、それを示して3分の2をとったんだったらば、そう報じていただいて結構なんだけど、それがみんなばらばらなわけです。正直言って、我が党の中でもきちんと煮詰まっていないわけです。

だから、3分の2が、3分2がということに、そんなに積極的な意味があるとは思わない。それは参議院で否決されたときの再議決に必要な3分の2という意味でいえば、わかりますけどね。憲法改正に必要な3分の2というのは、それはすごく私は聞いてて違和感があるんですね。

だから、まさしくこれから憲法にしても社会保障にしても、ちゃんと議論しましょうと。勝った勝ったではありません。本当に議論する。そういう場を与えられたんだということで、党内議論が一番大事だと思います」

御厨

「なるほどね。前原さんはいかがですか」

前原

「私は日本の今の状況を考えたときに、みんなが不安を感じている。若い方々も非正規が4割。結婚したくてもなかなかできない。結婚されても、これだけ子供を持ちたいという数を持てない。それが日本の構造問題である少子高齢化・人口減少というものにつながってきているし、またリタイアされた方は年金が減らされ続ける。介護保険料を払っても自分たちの受けたいサービスが受けられない。

こういう不安を解消するための施策と、あとはやはり財源論から逃げないということをこれからしっかりやっていかないと。砂糖のように甘い言葉だけではもうだめなんですよ。つまり、これだけ皆さん方にご負担をいただいたら、これだけ皆さん方にサービスの向上がありますと、皆さん方の安心が提供されますということを、政治家がどれだけ逃げずに言えるかどうかということ。

これは与野党関係ないと思います。もう本当に我々何のために政治をやっているかという、政争のためにやっているわけじゃないわけで、国民の安心のためを考えれば、不安を解消する。そのための財源論から逃げない。これが大事だと思いますね」