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第六六二回('17年9月10日 放送)
 「『暴走北朝鮮』に」

ゲスト: 中谷元 氏/丹羽宇一郎 氏

御厨

「さあ、ミサイルを日本上空を通過させたと思ったら今度は核実験。中谷さん、これどうご覧になります」

中谷

「東アジアの安全保障のバランスを崩す非常に新たな脅威。極めて遺憾なことだと思います。しかしまだ最終的に兵器として使えるかどうかは、小型化をしてですね、そして弾頭に載せた場合も、その弾頭が地面に落ちる場合に最終段階できちんと熱に耐えられるかとか、そういったこともありますが。いずれにしても北が核を保有するということになりますと、我が国にとって新たな脅威として、核と核のバランスと言うか、今は日米同盟でアメリカの核抑止というのが働いています。ところが、北朝鮮が核を保有すればですね、アメリカに対して直接これが狙えるということになりますと、均衡することによって日本の安全、日米同盟、これが多少離反する、米国の心配、とか多少ありますけど。それを狙いとして核を保有しようとしているんで、これは保有したら非常に日本にとっては大変な脅威になりますので。日本としては北朝鮮が絶対に核を保有しないように、また認めない、ということでやらなきゃいけないと思います」

御厨

「今、中谷さんこうおっしゃいましたが、丹羽さんどうでしょう」

丹羽

「そうですね、私はよく言ってるんですけど、世界のふたりの不良少年。71歳と33歳。このふたりの恐怖の均衡にあると思うんですね。それはなぜかと言いますと、やはりその朝鮮半島の非核化というのは相当前に崩れてるわけですよね。だから六者協議もとても成り立たないという状況にありましてね。彼らが核を、実験をし、保有しているということは、もう暗黙の了解とは言いませんけども、皆さんがそういうことを考えておられると思うんですよ。したがいまして、ここで彼らに非核化の方にですね、北朝鮮だけをそういうふうにするということについてはですね、非常に一般的に言いましてもね、矛盾があるだろうと。つまり、現在、核を保有している国々、全部入れますと北朝鮮を除いても9か国くらいあるんですね。この人達は今まで通りで、北朝鮮だけはダメよというのがね、国際的に通用するかなと。核の保有というのは北朝鮮の生命線なんですね。それがなければ、イラクとかリビアのようになってしまうのではないかと。だから絶対に止めないだろうと。ということはおそらく国際的にもかなりの方々が暗黙のうちにですね、非常に残念なことだけれども、思っておられるのではないかと思うんですね。だから…」

中谷

「けどそれはね、日本にとっては最悪のシナリオなんですね。やはり核を保有した場合に日本の安全保障を考えますと、大変大きな変化なんです。ですから日本としては絶対に北朝鮮が核を保有することを認めませんし、そうさせないようにですね、まだまだ努力をしていくことでもありますし。他の国がそういう容認をするとですね、日本だけが孤立してしまうというか、最悪のシナリオになってしまいますので、まだまだ多くの国々に働きかけて、保有させないような努力をすべきだと思います」

丹羽

「しかしね、それを努力しても絶対に生命線としてですね、北が崩壊してもね、恐ら くそれだけは手放さないというような方向に行ったら、もっと問題が大きくなるだ ろうということで。私は、一時的にしろね、例えば核の保有国が実験も運用も凍結 すると。例えば2年間なら2年間。というような方向にね、やはり被爆の地球上で 初の体験の国である日本がね、そういう話をトランプさんとかあるいはプーチンとね、水面下で少しやるべきではないかと。そういうふうに思うんですがね 」