時事放談 トップページ 毎週日曜あさ6:00〜6:45
過去の放送 出演者 時事放談「サロン」 テレビプロデューサーの日々
 
 
第六五八回('17年7月30日 放送)
 「信なくば立たず」

ゲスト: 鴨下一郎 氏/玉木雄一郎 氏

御厨

「鴨下さん。稲田防衛大臣の辞任をどうご覧になります」

鴨下

「我々はですね、突然でありましたけれども、やはりかと。そういう意味では驚きを持って受け入れたわけではなくてですね、やっぱりそうだったのかと。こういうふうに受け止めました。日報問題だけではなくて、都議選の時の失言、あるいは様々なですね、答弁においての色々な齟齬。こういうようなことについて、たぶんそろそろお辞めになるんじゃないかなっていうのは国民皆さんもお考えになってたんじゃないかと思います。ただ、安倍総理は罷免ではなく辞任だということでおっしゃってました。もうこの時期でありますから、内閣改造があるというこの時期にお辞めになるということは、自民党にとっても大変辛いことでありますし、安倍内閣においても辛いことだったんだろうなとは思っております」

御厨

「玉木さんどうです」

玉木

「逃げましたね。今週内閣改造の前に、安全保障委員会の閉会中審査をすることを合意してたんですけども、これから逃げてですね、開くこともうやむやになっています。監察の報告にあったようにですね、「なんらかの発言があった可能性は否定出来ない」って、極めて曖昧ですよね。一部報道もありましたけど、明確に事務方の人は報告しているんです。それを大臣が「ない」と言ったもんだから、逆に大臣の発言に合わせて監察結果の内容を変えざるを得なかったというのが実態だと思いますね。例えばですね、書面による報告はしていませんとか、了承を求めるような報告はしていませんとか。修飾語を付けてあえて書いているんですね。だから、書面じゃない報告はあった可能性は実は否定していないんです。嘘にならない範囲でなんとかですね、大臣に責任が及ばないような形になってますけれども。私はこの独立性の高い監察結果を大臣の発言でねじ曲げたと言うのはですね、非常に問題があると思っています。監察の監察が必要だと思いますね」

御厨

「鴨下さん。稲田さんについては安倍総理が抜擢して、様々なトラブルでもずっとかばってきたという経緯がありますけども。その点はどういうふうにお感じですか」

鴨下

「安倍さんはある意味友情に深い。あるいはですね、ひとたび抜擢した人に対してはですね、非常に責任を持って育てると。こういうような意味では私は非常に良い意味でもあると思いますが。反面ですね、ひとたびかばってしまうと、人事というのは本来は冷酷であるべきで、国益にかなうことについてはですね、それは友情だとか様々なしがらみを排して、最も優れた人間を当てるということが重要だと思いますので。少しかばい過ぎた、深追いし過ぎたというようなそしりは免れないとは思います」

御厨

「玉木さんどうです」

玉木

「安倍内閣の支持率が下がっている理由は2つあると思うんですね。それはこの身内のえこひいきと、政府を上げた隠蔽体質。この2つなんだと思うんですね。森友学園、加計学園もそうですけれども。今村大臣はあんなにスパッと切るのに、なぜ稲田大臣はこんなにかばうのかなというのはですね、非常に不思議ですし。かつ、ここまでかばってきたことによって具体的に国益に悪影響が出てきていると思います。北朝鮮のミサイル問題というのは非常に深刻な問題ですけれども。例えばアメリカとの外務大臣、防衛大臣との2プラス2というのも延期になってますね。いろんな理由で延期になったと言われてますけども、やっぱりこの稲田大臣を相手には出来ないというのがひとつの理由であったと私は思います。ですからこの総理の任命責任もやはり厳しく問われるべきだと思いますね」