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第六三〇回('17年1月8日 放送)
 「2017年『今年はこうなる』」

ゲスト: 石破茂 氏/仙谷由人 氏

御厨

「さあ国政では自民党、中でも安倍総理の一強状態が続いています。石破さんはこれをどうご覧になってるのか、これでいいと思ってらっしゃるのかいかがでしょう」

石破

「うん、それは自民党の総裁は安倍さんだから、その支持率が高いっていうことは、わが党にとっては良いことなんです。ただそれを何に使うかってことであってね。今までこれを言えば票が減る、これを言えば人気が下がる、これを言えば議席が減る、そう思って先延ばしにしてきた課題がいっぱいあるわけでしょう。それを解決するための一強であってね、そのために使うんであれば、国民のためであれば、それでいいんじゃないですか。

ですけどそれがもう一つの考えだけのはずが、自民党って国民政党ですから幅広い国民の意見を代表してるんであって、それはおかしいんじゃないんですか、こんな考え方もあるんじゃないですかって議論を侃侃諤諤した上で決まったことに従うっていう、本来の自民党というのを私はもっともっと国民に訴えるべきだと思いますね」

御厨

「仙谷さん、安倍一強を許しているのは、蓮舫さんが率いる民進党の支持率の低さという点もあるような気がしますが、どうしてそうなのか。そして、これどうすべきなのかとお考えですか」

仙谷

「だからもうちょっとあれですよね、この瞬間芸みたいなね、何かマイク向けられると反対しておかないといけないみたいな、そういう恐怖観念とですね、それから党がメディアにすぐ分裂してるとか、分岐してるとかですね、何か言われるのを恐れて党内議論があまり外に見えてこないというか、活性化されてないという部分がむしろあるんじゃないかと。

僕は自民党もですね、沈黙の艦隊のようになってね、昔の大らかな異論反論も出るし、それでその後まとめた時には与党としてちゃんとした態度をとるという、こういう雰囲気が非常に強かったですよね。だから勉強もそれぞれがされるし、いろんな多様な方面からの切り口もあったように思うんだけども、この頃やっぱりそれが自民党あまり見えなくなってきている。

だから僕はもう石破さんもですね、別にその敢えて異議を唱えるみたいな議論はする必要ないと思うんだけど、今の金融政策にしても、経済政策にしても、安全保障にしてもですね、社会保障にしても、やっぱりもうちょっとオルタナティブっていうかね、いやいや私はこう考えると我々の党の政策はこうなんだということをね、もう少し議論を自民党内もされた方が良いし、民進党もそういう観点からのですね、提案型のオルタナティブを出していかないとですね、せっかくイデオロギー対立はなくなりですね、皆はその市場価値と民主主義と、自由を共有しているといいながら、じゃその中でのオルタナティブってなんなのかっていう定義ができてないというのがね、これは何とおかしい話だなと思いながら正月を過ごしておりました」

御厨

「なるほど。さあ、そして秋の衆議院選挙に対して石破さんはどうご覧になっていますか」

石破

「それはね、いつも申し上げる総理の専権事項ですから。ただ何のために解散するんですかってことに、国民は相当今度は注目すると思うんですね。何を問うんですか。それは国民にとって、国家にとってなんの意味があるんですか。やっぱり、これだけ国民の税金を使ってお休みの日に投票行って頂くわけですよね。問うことが明確じゃない選挙っていうのは、私はあるべきだと思わない。きちんと問うべきことを明確にして、それをやるためにどういうような道筋を辿っていくのかっていうこと。私共が政権をとって今度やるとしたら、最初が奪還、次が継続、3回目っていうかな、実際政権とってから2回目になりますけど。今度は何を問うんですかっていうのは、国民から厳しく見られているって事。忘れてはいけないと思います」