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第六二三回('16年11月13日 放送)
 「トランプショック『大丈夫』か…」

ゲスト: 大串博志 氏/浜矩子 氏

御厨

「まずは、トランプさんの安全保障を大串さんはどうご覧になりますか。アメリカ軍の駐留費を全額負担しろというわけですね」

大串

「安全保障に特に表れている考え方だと思いますけども、TPPもそうですけども、大変内向きですよね。米国の中にも、他の国との安全保障をどうするか、世界の平和にどのくらいアメリカが関与するのか、ということに関して色んな意見があることは私も知ってます。その中でも特に内向きの代表、代弁のような発言の連なりだったのは、私もちょっと懸念します」

「やはり今世界の中で、極東アジアの中にも不安定な要素はたくさんあります。この中で、世界全体がほころびを生じさせないようにということで日米の同盟関係があって、その中で日米も安定を得ると同時に、それが地域の安定につながり、世界全体の安定につながるという構図があることをしっかり認識してもらって、一定の幅の中の政策を遂行してもらいたいなと私は思いますね」

御厨

「浜さんはいかがですか」

「私はですね、実はこのトランプ大統領の誕生を一番喜んでいるのが安倍総理大臣、あるいは安倍政権ではないかと思うんですね。なぜかというと、トランプさんはアメリカの軍隊が日本のために働くのはおかしいと言い、日本も自分で武装したら? 核も持ったら? って言ってるわけですよね。そういうふうにアメリカが言えば、アメリカがそう言ってるんだから、やっぱり日本は独自防衛を強化せざるを得ませんよねと。遺憾ながら核武装も考えざるを得なくなりました。っていうことを安倍さんが言うための格好の材料、口実をトランプさんは与えてくれてるわけですよね。だから、やっぱり自衛隊もまともなちゃんとした国防軍にしなきゃ、とか言うことが出来る場所を与えてくれるということですごく喜んでいるのではないか、と私は推測をします」

「TPPだってね、TPPそのものをアメリカが承認しなければ崩れるかもしれませんけど、でもそういうものに消極的なアメリカ抜きで環太平洋エリアに勢力圏を広げると。まあ、ここから先はちょっと言い過ぎかもしれませんけど、21世紀型の大東亜共栄圏作りの足がかりとしてTPPバージョン2を使うことが出来るかもしれないなどと考えている可能性もあると思うんですね。だからその辺は非常に実は、その腹の中では下心的大歓迎の思いがあるんではないかと。私はそのように邪推しております」