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第六一二回('16年8月28日 放送)
 「さあ突入、臨時国会!!」

ゲスト: 仙谷由人 氏/武村正義 氏

御厨

「小池都知事、今回の出馬。そして圧勝。仙谷さんこれどうご覧なります」

仙谷

「すごいですね。私の政治学というか、政治分析からは遠いところにありましたね、今回の都知事選挙は。僕はやっぱり増田さんが最後は強いかなと思ったんだけど。圧倒的に凌駕する。世界中がなんとなくそういう現象になっている。つまり、東京都民も不安感とある種の鬱屈した感覚があってですね、それで小池さんが都議会のボスをターゲットにしたということにですね、やっぱりこの閉塞感というか鬱屈したものをちょっと吹き飛ばしてくれるんじゃないかという期待感が集まられたんじゃないかなと。具体的な政策というのはあんまり、これで都民の未来が開けて来た、みたいな感じは僕は受けてないんですけどね」

御厨

「武村さんいかがですか」

武村

「とにかく300万票近い支持を得て、堂々と都知事に就任されたんですから、頑張ってほしいと思います。都連とか都議会を厳しく批判して、それで結構拍手喝采を受けたと思いますから。この辺はきちっと姿勢を崩さないで、変な妥協をしないでですね、頑張ってほしい。私も40年昔、野党に押されて知事になりましたが。県議会行ったら与党は4分の1くらいで圧倒的に自民党の世界ですけども、与党ばっかでしたけど。予算なんかもガタガタに増額修正されましたけど、私は議会が増額修正したって、知事としては執行権があるから、一切執行しないって言って対抗してですね。そういうふうに頑張った方がかえって良かったですね。最後は自民党も折れてきました。だから、小池さんもあまり変な妥協しないで、とことん頑張って下さいと激励したいですね」

御厨

「なるほどね。武村さんに伺いたいのは、小池都知事と森元総理の関係。これ心配する声もあるんですがどうでしょう」

武村

「これは考え方とか性格とか合わないんじゃないんですか。森さんもね、私は昔、同じ派閥の大先輩でしたけど。いつまで出しゃばってるのかなと。もうそろそろ引かれたらどうかなと、私はむしろ言いたいですね。あまり政治色の強い人がオリンピックのような聖なるスポーツイベントのトップにどんっと座るっていうのは、私はあまり感心しない」

御厨

「なるほど、そうですか。そして来年の都議会議員選挙をにらんで、小池新党、これが取りざたされていますが、仙谷さんはどう見ています」

仙谷

「やり方としては大阪の橋下徹さんと同じですよね。ただ橋下さんが大阪の府議会、市議会に対峙した彼自身の行政改革の旗を掲げて対峙した。それは大阪府、大阪市にも二重行政の問題を含めて色々問題があったんでしょう。だから、もうちょっとそういう小池さんが新たな党まで作ってですね、新党まで作って、そこで都議会の多数派をまず取りにいくと。それは方向として別に間違ってないと思うけども、何をするためにそういうことをするのかということをですね。やっぱり、オリンピックのみならずですね、オリンピックも大事な目標なんでしょうけども、しかし都民の生活、都民が今不安に思っていることを的確にですね、教育の問題、医療の問題。高齢社会を迎えて東京の場合はそういう高齢者に対するケアのサービスがどうなるとかですね。そういう問題をきちっきちっと、地域的に安定できるような、安心できるような仕組みを提示していくことが重要じゃないんでしょうかね」