時事放談 トップページ 毎週日曜あさ6:00〜6:45
過去の放送 出演者 時事放談「サロン」 テレビプロデューサーの日々
 
 
第六〇七回('16年7月17日 放送)
 突入「首都決戦」

ゲスト: 武村正義 氏/片山善博 氏

御厨

「小池さんが自民党の推薦なし、増田さんが自民党などが推薦と。分裂選挙ということですね。どうでしょう武村さん。この経緯をどうご覧になります」

武村

「経緯というよりも、結果がこういう、特に3人が競争される形になりましたから。都民から見れば分かりやすい選択になるなと。ただ、私も片山さんも知事経験者ですけど。知事という仕事は、その地域社会の行政府の長なんですけどね、同時にその地域社会を象徴する唯一の人物というか、そういう役割も担っていると。その地域全体を代表してあちこち出かけていきますしね、そういう象徴的な存在でもあって。それだけにひときわ、政策が大事ですけども、人柄というのが、信頼感というか、そのことが非常に大きなウェイトがある選挙だなと。3人の人物をしっかり見極めて的確な選択をして頂きたいなと思っているんですけどね」

御厨

「片山さん、いかがですか」

片山

「私は前から申し上げてるんですけど。今回もう東京都知事選で、時ならぬ選挙3度目なんですね。石原さんが任期途中で放り出して、猪瀬さんが出てきてまた放り出して、舛添さんが出てきて、また放り出したわけじゃないですけど辞めざるを得なくなって次の選挙と。結局、政党も候補者も準備不足のまま選挙戦に突入するんですね。ですから、この時点でそれぞれ手を上げられた方の政策がどうのこうのと言っても、一面では気の毒な面もあるんですね。そうしますと、大東京を率いるのに誰が相応しいのかっていう人物評価みたいなことにならざるを得ないんだろうと思いますね。政策で言いますとね、どこがどうってことじゃないですけど、やっぱりピンとこないなという印象を受け取らざるを得ないですよね」

御厨

「どうでしょう、キャッチフレーズは増田さんが『混迷に終止符』。小池さんが『東京大改革』。そして鳥越さんが『住んでよし、働いてよし、環境によし』ということですけども。このキャッチフレーズ。武村さんどうご覧になります」

武村

「今回の『混迷』って舛添さんが起こしたことですかね。それはもう舛添さんがお辞めになってるから終わった感じもありますが。小池さんが指摘されてるように、やっぱり都議会等をめぐる構造的な体質についてね、議論は大いにあって良いと思いますね。そういう議論には鳥越さんも積極的に参加をされて、都議会を含めて都政の体質をどう変えるか、どこに問題があるかってところが、ひとつのポイントかもしれませんね」

御厨

「その点はどうでしょうか、片山さんは」

片山

「仮に、増田さんのスローガンがですね、今まで3代と言いますか、2人突然辞めたということで、都庁の主がコロコロ変わるっていうことが混迷だということでありましたらね。安定的な知事になりたいということでしょうから、それはそうだと。そうしますと、それを前提にしますとね、3つはいずれも必要なことだと思うんです。どれが矛盾する訳でもないんです。3つを併せ持つことが今日時点では必要なんではないかなと思いますけども。おそらく、どなたがなっても3つは併せ持てないんですよね。ですから、その辺にちょっと悩みがありますよね」