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過去の放送 出演者 時事放談「サロン」 テレビプロデューサーの日々
 
 
第六〇二回('16年6月12日 放送)
 突入「暑い夏」
 ゲスト: 片山善博 氏 / 浜矩子 氏

御厨

「舛添さんは「厳しい調査だ」と言う第三者の調査ですが。浜さんはどうでしょう。違法ではないが一部不適切というのが多いんですけどね」

「そうですね、不適切なものがどうして違法じゃないのか、というのがよく分からないっていうことがそもそもありますよね。もうこの一連の展開というのは、先ほどね、トランプがエンターテイメントとして見る限り面白いっていうことがありましたけど、これもエンターテイメントとしてエンタメ的には実に面白くてみんな楽しんで見るわけですけども。しかしこの体たらくを人前に晒してなおも結構平気な顔をしているというところが非常に驚くべき事でございますし。何かどこかおかしいというか、今日の共通キーワードは幼児性って感じかなという気になってきたような、トランプ問題も、消費税増税も、この舛添問題も。やっぱりまともな大人がやる事ではないことを、こういう責任ポストにいる人がやっているということの問題性。やっぱりそれは幼児には通じないのかな、という感じがして。その場合はもうちょっと、蹴り飛ばすしかないのかな、というぐらいの感じになってきました。クイズ本なんかも公金で買っているということでありますが、人の金の上手な使い方とかいう本もその中にあるんではないかと思われてしまうような体たらくですね。やっぱりこれはもう本当に話にならない以前の問題であるということで。なんとか、またこのパネルも破り捨てたくなるという感じです。本当はそれ以上のことをやらなければいけないんだけど。それくらいのことをやらないと気が済まないというような思いをさせられていますね」

御厨

「舛添さんは対応としては、湯河原の別荘を売る、あるいは給与を減らすという表明をしていますが。片山さん、これはどうご覧になる」

片山

「失礼ですけどね、やっぱりピントがズレてると思いますね。湯河原に別荘を持ってることにみんなが憤慨したわけではないんですね。給料が高いってことに怒ったわけでもないんです。そりゃ高いなという感想を持つ人も多いですけど。そうじゃなくて、何か変なことやってますね、それって説明つきませんね、ってところにみんな引っかかってるんですよね。実はね、やられてることは、巷間伝えられてることは、実に庶民的なんですね。回転寿司だとか、クレヨンしんちゃんだとか。それから必要経費で私事を落とすとか。これ、会社員だったらやってみたいなと思ってる人いると思いますよ。ちょっとしたことで、これ会社の経費に回せないかな、でもそれはやると後で怖い、やるにしても本当に恐る恐るやる。そういうことですから共感持てるわけですよ。庶民的ですよ、実に。ところがそのことを追及された時に、実に高圧的だったり、奇妙奇天烈な屁理屈を飛ばしたりってことで、そこはもう全く庶民感覚からズレてますよね。その落差が、これだけの関心と怒りを呼んだんだと思いますね。その辺の、実に庶民的なことをやってるんだけども、全く庶民からかけ離れた感覚にいるというところに、ご本人がたぶん気が付いてないんだろうと思いますね」

御厨

「浜さん、いかがですか」

「全くご指摘の通りだなと思いますね。ピントが外れているというのは、本当にそのとおりですよね。別に今更別荘を売ったからって、偉いねって誰にも言ってもらえないでしょう。そういうことがやっぱり分からないというのは、幼児期を脱していないというふうに言わざるを得ないと思いますね。本当に人の金は実に豪勢に使うのに、自分の金についてはあまりにもせこいと。そういうことが誰にでも見えて、みんな良く分かってしまっている。分かってないのは本人だけだと。ここにやっぱり、日本中がものすごいフラストレーションを感じながら、でもやっぱり面白いなと思ってエンターテイメントとして見てしまう、この悲しさ、情けなさ。これをどうしたもんかっていう感じでございますがね。本当に早く我々の目の前から立ち去ってもらいたいと思いますね」

御厨

「いまだにホテルの家族旅行疑惑は、誰と会議をしていたかさえはっきりしないわけですが。片山さんどうでしょう。そもそもこの「事務所関係者ら」っていうのと、「出版社社長」っていうのはいるんでしょうか」

片山

「私はね、この舛添さんの最初の疑惑を追及された時の記者会見の時に、木更津のホテルでは家族では行ったけども、事務所関係者らと政治の話をした、会議をした、と説明されましたよね。その時に、ははーんそうかなと推察したのは、事務所関係者というのは奥さん。ら、というのは子どもさんで。政治資金規正法上は、それでも実は通るんですよね。そういう説明であれば。だからギリギリそういう想定のもとに政治資金を使ったのかなと思ったんですよね。ただ、その後そういうことすら説明しづらくなったので、もう一回再整理をして、弁護士さんと相談して、出版社の社長さんという人を登場させたんですけども。これが本当に実在するのかどうか、これは分かりませんね。実際に来られてるんならば、もう早く言えば良いですよね。だって舛添さんは今、大変な窮地に陥ってるわけですよね。今は焦点が、本当に社長がいるのか、来たのかってことになってますから、自分の潔白を証明するためにも、いの一番に言わなきゃいけない。それが言えないっていうことは、なんだろうかなと。ここでまた新しく疑問が湧きますよね。どんどん自ら疑問を作られている感じがしますよね」