時事放談 トップページ 毎週日曜あさ6:00〜6:45
過去の放送 出演者 時事放談「サロン」 テレビプロデューサーの日々
 
 
第五九六回('16年5月1日 放送)
 「頑張れ熊本」
 ゲスト: 武村正義 氏 / 片山善博 氏

御厨

「片山さんは元鳥取県知事ですけども、この外遊をどうご覧になります」

片山

「自治体のトップがですね、海外に行くってことはあるんですけども、そんなに度々はないですよね。どうしても行かなきゃいけないってのはそんなにないです。この度のもですね、行けばいろいろあるんでしょうけど、絶対に行かなきゃいけなかったかっていうのは検証の必要があると思いますね。それから、旅費は海外だろうと国内だろうと、やっぱり規則があるわけです。条例とそれに基づく規則が。その範囲内で職員もやっているわけですね。職員などは、例えば出張例費の規則の範囲内で足りなかったら自腹切ったりするんですよね。部下にはそうさせておいてね、自分はその規則の何倍も使うっていうのは、ちょっとトップに立つ者としての姿勢が問われると私は思いますね。東京都はお金がないないと言ってですね、例えば都立高校の学校の図書館の司書なんかを正規の司書がいたんですけど、それをアウトソースしたり非正規にしたりしてるんですね。そうやって切り詰めてる現場と、知事のこういう税金の使い方との間に、とっても大きなギャップを感じますね。やっぱり質素というのはトップから示すべきですよね」

御厨

「武村さんね、記者会見では香港の記者に『香港のトップが二流のビジネスホテルに泊まりますか』と言ったそうですけど。どうお考えになります」

武村

「なんで二流のビジネスなんて言ったのか知りませんけど。そりゃあるかも知れませんよ。私だってビジネスに泊まったこともありました。それはホテルが取れなかったから泊まったんだけど。それにですね、舛添さんも全く問題がないと開き直るのは良くないと思いますね。確かに都のルールが、規則があってね、規則には違反してないってことをおっしゃりたいんでしょうけどね。それではいかにも官僚的な答弁で、政治家舛添さんとしてはね、都民の世論があるじゃないかと。国民の常識があるじゃないかと。常識に合ってない事だと。だから批判されているんですよ。それを全然問題がないと開き直るのは、政治家舛添さんとしては良くないなと申し上げたい」

御厨

「片山さんはどうでしょう。この舛添さんの説明、どうお考えになります」

片山

「おそらくですね、海外出張の説明も湯河原の説明も、知事の説明を聞いて「なるほどそうですね、良く分かりました」という人はひとりもいないと思いますね。全て言い訳で、どんどん自らを窮地に貶めているような気がしますね。もうひとつ私ね、このたびのことは週刊誌から端を発したんですけどね。要は税金の使い方ですから、これは予算の使い方だし、それから条例の範囲内かどうかの話ですから、都議会は何をやってるんだろうかと。一部の会派はこの事を厳しくやってますけど、多くの皆さんはこれを良いと思われているのかどうかですね。それから出張例費の規則の数倍で行くことは人事委員会の承認を得たと言われるんですけどね。人事委員さんどんな方か知りませんけど、そんな事を「良いよ、良いよ」っていう人事委員会なら私はいらないと思うんですよね。要するに東京都はこの際ね、自浄能力がほとんどないと言うしかないですね。週刊誌で叩かれないと何か問題にならないと。それを感じますね」

御厨

「武村さんね、週末の過ごし方のところでは、毎週湯河原の別荘に行き、そしてそれも公用車で行ったというんですけど。これはどうでしょう」

武村

「やっぱり別荘に行く時くらいは私的な行為ですからね。それはもう公用の場所と2,300メートルくらいの距離ならね、公用車でスッと行っても許されるかもしれませんが、100キロもある遠いところへ堂々と公用車で行くというのは、私は常識には合わないと思いますね。要するにプライベートな事も当然知事はしょっちゅう起こります。私的な葬式とか法事があるとか同窓会に行くとか、後援会に行くとか。大方の人はそれを区別してると思いますよ。公用と私的な用事と。私的な用事は自分がタクシー使うか、電車で行くか。みんな工夫してると思いますね」