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第五八六回('16年2月14日 放送)
 「揺れる世界の中で」
 ゲスト: 仙谷由人 氏 / 片山善博 氏

御厨

「なんとも唖然とする出来事なんですが。育休宣言をしていた議員が妻の出産入院中に他の女性と不倫と報道され、議員辞職となりました。仙谷さん、この事態をどうお考えですか」

仙谷

「どういう感覚の持ち主なのか分かりませんけど、我々から言えば、もう何をか言わんやというか、あんまりコメントをする値打ちもないんじゃないかという感じしますね」

御厨

「片山さんどうですか」

片山

「呆れて空いた口が塞がらないというのはこういう時に言うのかなと思うんですけどね。私はここでね、この人の個人の問題はもちろんあるんですけど、ちょっと違った見方をしなくちゃいけないと思うんですね。

小選挙区で政党の公認候補として出てこられたわけですよね。今は、小選挙区になってからやっぱり政党というブランドで有権者が選択するってことが大きくなりましたよね。政党の候補者を選ぶ時の品質管理というのが問われると思うんですね。失礼ですけどね、この手の人しかいなかったのか。公募をされてこの人にしたということですけどね、本当にこの人しかいなかったのかってことになりますとね、政界に入ってくる人材というのは払底してるなと思いますね。

これはね、自民党だけに限らず野党にもありましたから、かつてね。例えば、国会に病気の休暇届を出して、秘書と一緒にどこかに行ってたなんて人も、今もいますよね。ですから与野党問わないんですけど、もう少しやはりね、政党は品質管理をきちっとやる。そのためにも政党交付金なんかも出てるはずなんですよね、もっとしゃんとして欲しいと思いますね」

御厨

「今のお話なんですけど、小選挙区を導入して以来、チルドレンと呼ばれる若手議員のトラブルが増えているという事態なんですけども。これ、仙谷さんはどういうふうにお考えです」

仙谷

「ひとつは世界的な傾向でもあるような感じしますね。政党ブランドで議席は取ったのはいいけど、基礎的な教養もなければ公私の峻別とはどういうことか、つまり自分が国民の皆さん方の税金で、活動及び生活が保障されてるというポジションというのはどういうものかということがですね、まだまだ分かってない。

それから今はメディアポリティクスというか、メディア政治の部分がありますから、いかにしていい格好をするかというか、メディアに対してですね。その部分が高じて勘違いをされる方ってのは随分あるんじゃないかと見ますけどね。だからあんまり政治言論というか、政治議論とか政治学とか、そういうのよりもちょっと社会的に流行ったことに自分を見せて、寄り添った格好にして自分を売り出すという手法がありますよね」