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過去の放送 出演者 時事放談「サロン」 テレビプロデューサーの日々
 
 
第五八二回('16年1月17日 放送)
 「年の始めから大騒ぎ」
 ゲスト: 藤井裕久 氏 / 丹羽宇一郎 氏

御厨

「さあ、こういう株式市場で年金を運用していること。このこと自体、丹羽さんがどうお考えなのか伺いたいんですが。その前に、丹羽さんは元商社マンで、相場にお詳しいわけですね。こういった株式市場の状況で株を運用して利益を出す自身はおありになるか」

丹羽

「まったく私はこの問題についてはね、親方日の丸でね、税金というか、国民から集めたお金で博打をやっちゃいかんと思うんですよ。もちろん一時的に儲かることがあるでしょうけどね。長期的に見て、経済についてド素人のね、経済学者にしても、あれほど年初から経済予測が当たらない人が株をやったりね。あるいは官僚の方がね、経済のことも知らないのに株をやってね。人の金だからって勝手にやって、彼らは職も失わない、給料も減らない。そういう人が株やっちゃいかんですよ。

それでね、例えば中小企業の方とか経済家がやるのは、それで損したらクビになるとか、損したら社員に給料払えないとか、そういう人は博打なんかやらないですよ。そんなこと一切関係なく損しても平然としてる人がね、この株の運用の比率を高めて、株が上がってる時は誰がやっても儲かると思ってるわけ。そんなことはないですよ。私は相場にも長い何十年と関わってますけどね、絶対に博打はやらない。それはヘッジというかね、そういうオペレーション、実利との絡みで取引所を利用すべきであってね、そんなこともなく丸裸で売った買ったとやって儲かるなんて聞いたこともないね。考え方を改めるべきだね。

しかも国民の金でしょ、これで7兆どころか10兆、15兆と損していったらね、今計算したらもっと損ですよ。これだけ株が下がってる。どうやって責任を取るつもりなんだ。国民に何と言うんだ。そういうことをやっぱり考えなきゃいかんね、やってる人は。ままごとで遊んでもらっちゃ困ると」

御厨

「厳しいご指摘でありました。さあ、藤井さん。この中でもさらに年金の基金を直接投資出来るようにすることを検討するなど、積極的です。これはどうでしょう」

藤井

「さっき、ちょっと触れましたけどね。だいたい公がですよ、この会社が良いとか悪いとか言うのは完全な社会主義ですよ。おかしい、絶対許せないと思いますね。前半は丹羽さんのおっしゃった通りです。株を増やすということ、しかも年金積立金で儲けようとするんですよ。いつか、ここの場で言いましたけどね、安倍さんほど株、株って言ってる人いないんですよ。戦後の総理大臣であんな株、株って言った人はいません。池田さんはちゃんと実体経済をやって、その結果としての株を見てたわけですから、これは全然違うんですね。私はそういう意味で、あの素人の人が、とにかく目先儲かれば良いという形でやるということは、絶対に許せないというふうに思っています」