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第五七三回('15年11月15日 放送)
 「立冬を過ぎて…」
 ゲスト: 片山善博 氏 / 浜矩子 氏

御厨

「まず注目したいのは、安保法制の通常国会の後ですね。内閣改造そしてTPP大筋合意とあったわけですけれども、臨時国会は開かれないという。片山さん、これどうご覧になります」

片山

「これは、野党の皆さんが臨時国会を開くべしと、憲法の規定に基づいて要求されたわけで、これは素直に読めば何日か後には開かなきゃいけないってことだと思いますね。それを、色々外交日程だとか言って年初まで延ばすといわれるんですけど、これはやはり見苦しいですね。私、思い出しますのはね、鹿児島県に阿久根って所があって、それで議会を開かなかったんですよね。それで、実は地方自治法の規定も要求あれば開かなきゃいけないって規定あるんですけど、開かなくて。そもそもそんな事を想定していない法律の規定だったんですけども、実際開かない首長が出てきたんで、わざわざ地方自治法改正して、開かなきゃいけないようにしたんですけどね。憲法は改正してないからそういう規定がないだけのことであって、本当はどちらも平仄の合った規定ですから、同じように20日なら20日以内に開くというのが憲政の常道だと思いますね」

御厨

「浜さん、どうでしょう。外交日程が立て込んでいるということが、かなり言われていることなんですけど」

「そんな事をどうして言うかと。つまりこれは野党から要求されるまでもなく、内閣も改造した、TPPという大きな案件について中身もまだ誰も実はよく知らされていない、という状況がある中で、これは政府与党の側から進んで臨時国会を開くと。そのためには決まっている外交日程だってちょっと調整するから、是非きちんと議論させて下さい、と言うべき筋合いのものですよね。それを、外交日程を盾にとって逃げまどうというのは、本当に片山さんおっしゃる通り見苦しいですが。それと同時に国民に対して非常に失礼ですよね。失礼を通り越して、やっぱり責任を果たしていない。国民に対して自分達はどういう責任を担っているのか、負っているのかということがまるで分かっていない。ということが非常に多いに露呈したということだと思いますね」

御厨

「そしてですね、衆議院・参議院それぞれ一日の日程で予算委員会が開かれました。まずは高木大臣の問題です。片山さんは元総務大臣として、この香典を巡る問題をどういうふうに見てらっしゃいます」

片山

「これはね、皆さん、秘書がやったとか事務所がやったって言われる方多いんですけどね。後援会といっても当人が中心になって形成した、構成する団体ですから。もうちょっときちっと組織の中、後援会の中っていうのは統率しなきゃいけないですよね。自分のために色々政治活動やるんですけども、まずい事があったら事務方とか組織の問題にして、良いところ、成果は自分だけ受けるというのは、これはやっぱりずるいですよね。これも高木さんだけの問題ではないんですけれども、もう少しやっぱり政治家の皆さんはきちっと順法精神というものを、コンプライアンスというものを身に付けなきゃいけないと思いますよね。だって法律を作る人達ですからね」

「率先して腹を切るべきですよね。お侍さんだったらそうしてるんじゃないですかね。自分が全く毛ほども責任がない事だって、清く何もグダグダ言わずに腹を切る、というのが、そういうスタイルがかつてはあったわけですけども。そういうふうに対応して当然の問題じゃないでしょうかね」

御厨

「なるほど。さあ、そしてですね、かつて女性の下着を盗んだと週刊誌に報じられた問題ですが。片山さん、今回疑いは晴れたんでしょうか」

片山

「晴れてないですね。真偽のほどは分かりませんけども、事実無根であればね、これ名誉に関わる問題ですから、名誉棄損で訴えるとかですね、そういうことに多分普通はなるんだろうと思いますけどね。そうならないというのは何故かなという疑念、疑問が生じますよね。だから、ご本人はちゃんと説明をしたというふうに言われてましたけども、聞いた側は得心がいってないですよね」