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第五六七回('15年10月4日 放送)
 「『安倍総裁再選』で再スタート」
 ゲスト: 高村正彦 氏 / 藤井裕久 氏

御厨

「さあ、高村さん。新三本の矢と言いますね。まずはGDP600兆ですけれども、前年度は約500兆円で、2020年ごろまでにこれを達成しようとすれば、3%以上の成長率が必要であるという指摘もありますが、可能なんでしょうか」

高村

「簡単ではないが、可能だと思います。今、まだまだですね、一般経済人が、デフレではない状況にはなったんだけれども、デフレマインドを今だに持ち続けてるんですよね。だから、そこを突破するために、そこをなくすためには、やっぱり思い切った目標を掲げた方が良いというのが安倍総理の判断ですね。ですから「旧三本の矢」を止めたわけじゃなくて、その旧三本の矢のやる結果が、的、「2020年の600兆円」に到達するであろうと。こういうふうに理解して頂いた方が良いんじゃないかと思います」

御厨

「藤井さんどうでしょう。GDPは直近の4月から6月でマイナスの状態ですけれども」

藤井

「まずですね、国内経済は弱いんですよ。何が弱いかと言えばね、少子高齢化なんですよ。これは基本的に直らないと思いますが。さっきの前の政策の中でね、超金融緩和政策は私は反対なんです。元々反対だった。なぜかというと目先はね、ちょっと目が変わるんですけれどもね、落とし穴がある。落とし穴が必ずあるんですね。その事態の時に、変わってきたということは私は良いと思います。良いと思いますがですね、ひとつ抜けているのは、社会保障に目を向けて頂くことは大変大事なんです。つまり少子高齢化ということはね、なぜ弱いかというと、そういう人たちの経済が安定してないからなんですね。本当はもうひとつどうしてもやって頂きたかったのはね、雇用なんですよ。つまり、安倍さんになってから正規社員は50万人減ってるんです。非正規社員は170、180万人増えてるんです。それで100万人増えたっていうけど、結局それは非正規が増えた。その非正規というのは明日クビなるかどうか分からない人はですね、消費はしないんですよ。消費が伸びないというのは色んな理由がありますよ、色んな理由がありますけども、最大の問題は非正規社員による雇用増ということですから。ここを直してもらいたかったけど、ここだけはいないんだよね。社会保障は目を向けて頂いたことは私は感謝しますが、雇用政策をね、もう少し正面から取り上げて欲しいなというのが私の意見です」

御厨

「いかがですか」

高村

「正規社員が減ってるっていうことは、まさに団塊世代の大量退職というそういう一時的な理由でですね。今、有効求人倍率が23年ぶりに高いんですよね。そういう中で、これから正規、嫌でも増えてきますよ。嫌でも増えてくる。それからアルバイト・非正規の方の時給っていうのは、いまだかつてないくらい上がってるんですよね、今。だからそういう中で、有効求人倍率が高い中で安定した雇用を会社側も確保しなきゃいけないわけですから。そういう中で、正規はこれから増えていく、増やします」

御厨

「それでね、高村さんね。先ほどから出てますけども、この達成目標。簡単ではないが、とおっしゃったんですけども。本当に具体的にどうやって達成するのかということが、まだ出てきてないような感じがするんだけども。これ、高村さんはどういうふうに具体的にはされるおつもりですか」

高村

「ですから、600兆から言いますと、これ「旧三本の矢」なんですよ。旧三本の矢なんです。それで、三本目の矢っていうのは、実際にいってみると三本目って一本じゃなくてですね、千本の針みたいなもんでね。時間かかるんですよ。政府だけで出来るんじゃなくて、経済界がそれに呼応してやってもらわなきゃ出来ないわけですからですね。呼応というか経済界が主体となってやってもらわないと」