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第五六三回('15年9月6日 放送)
 「『抗日行事』が…、中国はどうなる」
 ゲスト: 武村正義 氏 / 丹羽宇一郎 氏

御厨

「丹羽さんは商社の社長として、様々なビジネスに関わってこられたわけですけども、今回のオリンピックのエンブレムの白紙撤回、この事態をどうご覧になるか」

丹羽

「会社だったら責任問題ですね。世界から見て日本は実に無様でみっともないですね。未だに当事者のトップの方がですね、他人事みたいに言ってますね。これね、日本の長い間の文化って言いますかね、要するに、村社会の間で同じような人が、お互いに傷付け合わないように、なあなあと言って、責任と権限を不明確にしてね。

あらゆる事がそうですね。原発もそうでしたね、国立競技場もそうですね、あるいは川内の原発の開始もそうですね、あるいはひょっとしたら第二次大戦もそうだ。誰が権限を持って決定して、誰が責任を取ったのか。今挙げた中の一つも明確じゃないですよ。

今回もその一つでね、エンブレムという名前もね、最近初めてみんな聞いてるわけですが、まあロゴに近いようなものですけども。これはですね、誰が決定したんだ、誰が責任を取るんだ、それが全く不明確なままね、このまま終わろうとしている。これはね、許しちゃいけませんね。企業であったらね、必ず責任者は処罰、クビ。

だから中国はね、天津の大爆発起きるでしょ、即刻やる事はね、容疑者を逮捕して確保してね、責任を取らせるんです。まあ、これはちょっとやり過ぎですけど、早すぎますよねそれが。でも日本はね、ずっと曖昧模糊とした村落社会でね。ゲマインシャフトというその社会を曖昧模糊としたままずっとね、何千年と続いているの。その一つですから、ここにね、メスを入れなきゃいかんです。これ必ずこの問題はね、一回責任者を処分しないといかんですよ」

御厨

「武村さんどうでしょう」

武村

「私も同感です。スポーツ団体の組織の運営のされ方とか、人事の在りようっていうのは、さっぱり分かりません。なんか、我も我もと色んな代表が集まって、にわかに組織を作り上げてると。責任者がいないと言うても、そういう中でやっぱりある種の人が異様に力を発揮しているということもあり得るし。

だいたい新競技場をですね、メイン会場を安倍さんが白紙にする時にね、直前に2回森総理と会ってますよね、それでその上で記者発表されましたね。おかしいなと。森さんは形の上ではメイン会場については主役じゃないのに、と思って見てましたし。

今回のこのエンブレムはまさに森さんが会長の組織委員会そのものの責任ですからね、これはもうはっきり、言われる前に責任取るべきですね。やっぱり新しい人事で新しいエンブレムを仕切り直さなきゃ」

御厨

「今、競技場のデザインの時の話も出ましたけど、要するに何か知らないうちに何かが決まってるという印象があります。そしてエンブレムはお金をかけて大がかりな発表会が突然行われたという印象なんですが。丹羽さん、これどうなんでしょう」

丹羽

「いやもう本当にね、聞いてて笑い出したくなる。この曖昧模糊とした本当に日本的なやり方で進んでるわけですよね。国民もあきれてると思いますね。これで自民党の政治家の皆さんもあらゆる人が黙ってるでしょ。これっておかしいですね。むしろ国民の新聞に対する投書欄の方がね、もっと明快ですよ。

当事者の方々は本当に責任感じてない。これ、経済界も最近ですね、そういう部分が少し出てますよね。誰が責任取ってるのと。誰も責任を感じてない、経済界の中でもそういうのが出てきましたね。これは非常に困ったことで、これから世界の中でグローバリゼーションでやっていく上においてね、この文化をなんとか改めなきゃいかんですね、日本は」