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第五五九回('15年8月2日 放送)
 「『戦後70年』の夏に、これだけは言っておきたい」
 ゲスト: 村山富市 氏 / 片山善博 氏

御厨

「村山さん。この法案をですね、どういうふうにご覧になってますか」

村山

「それはやっぱりね、日本の憲法学者の大多数が違憲であると言ってるんでしょ。これまで政府の法の番人であった法制局長官がね、やっぱりこれは違憲だと言ってるんでしょ。それを無視してね、勝手に内閣が解釈を変えて。そして閣議でこれは憲法に違反してない、憲法の範囲内だと言ってね、押し通していくようなやり方はね、それはやっぱり許せませんよね。それがまず第一だと思うんです。やっぱり憲法というのはそんなに簡単なものではなくてね、それは国民が決めたことですから、国民の意思を一番大事にして決めるべきことであってね。一内閣が内閣の都合で勝手に変えるなんてことはそれは許されないことですよ。今だかつてありませんよ、そんな事は。法制局長官がね、一応国会の中で憲法解釈を述べた時にはね、政府も国会も皆それに従ってきたんですよ、今まで。ずっと歴代自民党内閣もね、それを認めて来たんですから。それを安倍さんになってね、憲法解釈を変えて合憲だというような言い方はね、それは通りませんよね。だからやっぱり国民の皆さんが不審に思ってね、立ち上がるのは当然だと私は思いますよ」

御厨

「今、村山さんはこうおっしゃいましたけど、片山さんはどういうふうにご覧になってます」

片山

「今回の法案の中に、憲法違反の部分があると。こういう指摘があって国民の多くも憲法解釈上の疑義があると。こういう時に、総理の説明はそれに答えてないんですね、必要論を述べているわけですね。安保法制が必要なんだと、要するにそのために最近中国の脅威論なんかを持ち出されましたけど。日本の集団的自衛権を行使する事が必要だといわれるんですけども、それが憲法上違反ですよと言われていることに対して答えになってないんですね。だからすれ違いになっていて、国民の多くの皆さんが理解してないという事になっているんだろうと思うんですね。そういう時に磯崎発言が出てきて「法的安定性は関係ないんだ」というのは、まさに本音だろうと。要するに憲法との整合性を説明できないから、もう関係ないんだと言うしかないという本音が出たのかなと思いますね」