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第五五五回('15年7月5日 放送)
 「『戦後70年』の夏に」
 ゲスト: 野中広務 氏 / 古賀誠 氏

御厨

「野中さんは今回の若手の勉強会をどうご覧になりました」

野中

「私はね、こういう政治家が与党の中で責任政党として、今この危機にある日本の政治を、こういう連中が担っているなんて私は絶対に許す事は出来ません。またね、百田さんっていうのは、私は『永遠のゼロ』というあの人の書いた本で2回も読んでね、涙を出したんですよ。その後NHKの経営委員になって、まあ途中で辞めましたが。この人を講師に呼んでね、どうして今の日本の危機を救っていく若い政治家の集まりというのが、特に安倍さんに近い人達ですよね。そういうのがね、こういう馬鹿な事を言うというのは、絶対に私はね、今の政治がおかしくなってるんですよ。おかしくなって、過去を知らない」

「特に沖縄とか、また沖縄の沖縄タイムス、琉球新報というのは長い苦難の中で2つの新聞社、2つの放送社、これがお互いに沖縄の歴史を刻んで苦難を乗り越えて今日までやって来た。この両方の新聞についてですね、広告を止めとか、こういう事を言うことすらおかしい。私は、広告は大手の電通が仕切ってやっているし、他の広告社もありますが、そういう事も知らない人がね、経団連に言えとかね、あるいは広告を出すなとか、こういう事を言ってね」

「特に大西君というのは私が都議会議員の時から親しくしてきたんですよ。まあ彼が都議会の時からヤジ大将であったことは知ってますけどもね。2回も3回もね、この問題でこういう発言をするっていうのはね。彼が本当に地方政治を知ってきて、体に刻み付けた東京都政の苦しみを知って、そうして安倍さんの元で日本の政治を今、おかしい方向に行こうとするのを止める事が大西君の立場なんですよ。それをああいうね、何回も繰り返し繰り返しね、反省もしないでやっていくというのはね、仲間の一人として、今日までお付き合いをしてきた一人として誠に残念に思いますし」

「党の処分もですね、何回言っても厳重注意、青年局長をひとり一年間の役職停止にしただけで。こういう事でね、党の規律が守れるかということを、特に総裁派閥のような、こういう連中の集まりでね、こういう事がやられるというのは、私は本当に日本はもう狂ってしまってると思うんですね。是非、この事を私は、安倍さんをはじめとする党の執行部を含めて厳重に考えて頂きたいと思います」

御厨

「古賀さん、まあ勉強会とは言え、自民党本部で開かれて、官房副長官も主席してということで、古賀さんはどういうふうにお感じでしょう」

古賀

「野中先生の怒りがそのままですね。本当に恥ずかしいと思うし、本当にあってはならない。政権与党、特に安倍さんを支える人達がね、こういう言動を平気で勉強会の席でおっしゃるというのは、本当に野中先生の言葉ではないですが、狂ってるとしか言いようがないですね。政権与党としての責任のある国会議員とは言えない。本当に恥ずかしい事だし、残念ですね。こういう人が政権与党の自民党の中にいるという事は、まさに自民党はここまで劣化したのかと。日本の政治が劣化したなあと」

「特に沖縄の県民の皆さんの思いを致す時に、私6月23日、今年も慰霊の日にですね、平和行進で参りました。その時に思ったんですけれども、小渕総理の時に沖縄サミットをなんとか実現しようということで、野中先生も良くご記憶だと思うんですが、小渕総理総裁は最初に沖縄の2つの新聞社をお尋ねになったんですね。そして理解を得ると。こういうね、非常に沖縄の県民の皆さんのですね、心をね、しっかりと捉えた行動をされた。とんでもないえらい違いだと思いますね。ここまでやっぱり自民党が今ね、劣化してるのかと。本当に言いようのない憤りを覚えます」

「そして、23日平和行進いたしましたけれど、やっぱり沖縄は四分の一の方々が亡くなっているんです。ただ、大東亜戦争でそれだけの大きな犠牲を出したというだけではなくて、沖縄の歴史ですね、これが全くわかっていない。本当になんとかしてくれよと言いたいですね。我々の苦言が、安倍さん、安倍政権にいろいろ申し上げているということが安倍さんの足を引っ張っているんじゃなくて、一番身内のそばにいる人たちが一番安倍さんの足を引っ張っている。この事にも安倍さんも党も、しっかりね、この行動を反省すべきだと思いますね」