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第五五三回('15年6月21日 放送)
 「『大丈夫』かイロイロ」
 ゲスト: 武村正義 氏 / 仙谷由人 氏

御厨

「125万件の年金情報の個人データが漏れたと。仙谷さん、この事態どうお考えですか」

仙谷

「昔の社会保険庁、今は日本年金機構が、まあお粗末であるという事を言ってしまえば事は簡単なんですが。この種のものはですね、絶えず起こり得るということを、まず念頭に置かなければいといけないんじゃないかと。

私は実は例の中国の漁船の船長が逮捕されたビデオがですね、これは海上保安庁の職員が自分でダウンロードしてそれを漏らしちゃったわけですけども。当時ITで、どこまで政府の、ある時期は秘匿すべきとか、完全に秘匿しなければならないとか。どの範囲では持って良いけども、外へ漏洩されたら困るっていう情報を、どう管理したら良いのかというのをですね、検討委員会作ってやったんですよ。あの時、2010年の10月以降ですね。

そしたらやっぱりITの専門家はですね、ハッキングとかハッカーとかこの種の事はですね、日々やってる人が、オタクでやってる若い人がおってですね、そういう人を雇ってこない限り防止出来ないと言うんですよ。つまり、霞ヶ関の役人でパソコンとかITが分かってる程度の人では対抗出来ないという話があって。そういう人に話を聞いたり色々やりましたが、その専門家が言ってたのは、日本の役所の書類というか情報はもうどこからでも入ってどこからでも取れるみたいな、そういうふうに思われているという話もありましてね。これはもう日進月歩というか、日々競争なんですね。だからアメリカのCIAであろうがFBIであろうが、国防省であろうが財務省であろうがですね、絶えず色んなところに漏れたりするでしょう。

だからこの話は、もう個人情報は絶対にインターネットに繋げないようにしておくとかですね、そういう事をやらないとですね、ものすごく便利な道具、ツールなんだけども、パソコンというのはですね。インターネットというのはこういう事があるという事も考えておかないといけないんじゃないでしょうかね」

御厨

「武村さんいかがですか、この点は」

武村

「とにかく数年前は「消えた年金」でひと騒動ありましたが、またしてもと。今度は「漏れた年金」ですか。こういうことになってきまして、今仙谷さんおっしゃるように、この管理がいかに難しいかという事も当然分かりますが。まあ私も年金をもらっているひとりですし、日本中の数多い高齢者の皆さんにとっては年金という問題はもう生命線というか、一人ひとりの生き死にが懸かる最大の大きな問題なんですね。それが漏れて、タカリとか詐欺の対象になってきてるというのはものすごい不安ですよね。だから、いかに困難であろうとも、やっぱり政府をはじめ関係者しっかりやってくれとしか言いようがないんですけどね。マイナンバー制度がまた近じか始まりますから、余計不安を高めますね」

御厨

「そしてね、これ仙谷さん。最初は翌日に遮断したと説明したが、7日間ネットに繋いだままだったと。これを泥棒に入られた後も7日間鍵をしなかったのと同じようなものだという見方がありますが。仙谷さん、これまでの対応をどうお考えです」

仙谷

「だから厚生労働大臣なのか官邸なのか、やっぱりこの間の言動を見てると、緩んでる部分がだいぶあるんじゃないですかね。それと他の国の政権もそうだけども、何かね、政権に都合の悪い事を言ってくと叱られるんじゃないかということで、出来るだけ隠せないかとか、言わないで済むんじゃないかとか、叱られないで済むのはどうしたら良いのかとか。なんかその辺の、物言えば唇寒しみたいな雰囲気が、永田町と霞ヶ関の間で蔓延してるような感じはしてますけどね。これはまずいですね」

御厨

「なるほど。分かりました」