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過去の放送 出演者 時事放談「サロン」 テレビプロデューサーの日々
 
 
第五五二回('15年6月14日 放送)
 「『大丈夫』かイロイロ」
 ゲスト: 増田寛也 氏 / 浜矩子 氏

御厨

「さあ、125万件の年金の個人データーですね。これが漏れちゃったと。浜さん、これどうご覧になります」

「まあ漏れちゃったというのも、元より言うまでもなく大問題ですけど。それも然りながら、報告が遅れるとか、即時対応したと言ったけどそれは嘘であったとか、その辺のところの問題が実に実に大きいですよね。実にこういう情報管理というのは難しいことであって、でもそれがいかに大変なことだっていうことの認識も全然不足していたんだと思いますけれども、その認識不足を突かれた事もすぐ隠そうとする。それで何事もなかったかのごとくやり過ごそうとする。この発想、行政や政治のこういう発想が改まらないと、こういう問題はどんどん深刻化していくだろうと思いますね。ただちょっと穿ったというか、皮肉な見方をすれば、これでやっぱりマイナンバーもちょっと遅れるかっていう感じになっていますよね。それはある意味私は良いことだと思うんですね。やっぱりこういう本当に悪用されないかどうかということを人々が心配している事が、どんどんスケジュール通りに行ってしまう事にここでちょっとブレーキがかかっている。先ほどの安保法制だって、彼らが思う通りにはいかないような事が出てきたと。これはちょっと面白い形で天啓が働いているのではないかとさえ思うようなところがありますね」

御厨

「なるほど。浜さん今こうおっしゃいましたけど、増田さん、どうでしょう」

増田

「私もね、同じような思いを持っているところはね、やっぱり民間企業でも情報が出ることは確かにあるんですね、あってはならない事ですが。で、年金の場合は余計そんなことがあっては困るんですが、仮に百歩譲って出たとしても、その後の対応がしっかりしていればですね、国民の不安というのがここまで広がる事はなかったと思うんですが。6年、7年前の「消えた年金」という事が起きた。そこで本当はきちんとした体制をとったはずの所が、その後この問題が発覚してからの対応が非常にお粗末でですね。しかもなお且つ、聞くところによると厚生労働省でですね、中々その情報が上にどうも上がっていなかったようだという事があってですね。やはり事故が、あるいは事件が起きた後のですね、その対応に前回の教訓が生かされてないんではないか。やっぱりここをもっときちんと正さないといけないし、今マイナンバーとの関係が本当に大丈夫なのかどうか。マイナンバーについてはですね、芋づる式に色んなことが出るのをですね、制度的には遮断はされているはずですが。ただマイナンバーについて今年の秋から符番が一人ひとりに始まるということも含めて、以前のアンケート調査ですと、まだまだ周知が足りないってことがあったんですよね。ですから今回との関係で、じゃあマイナンバーはどういうふうな制度設計になっていて、どういうふうにそのリスクをきちんと遮断しているのかっていうことをですね、そちらも説明しないといけない。そのためにはやっぱり、今回の情報が漏れてしまった原因だとかですね、特定しないとダメですから。ですから、まずそこの事件の解明だとか、範囲の特定だとか、一体それをどういうふうにしてきたのかとか、そこを早く明らかにしないといけないと思います」