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第五四四回('15年4月19日 放送)
 「行くぞ中国3000人」
 ゲスト: 二階俊博 氏 / 丹羽宇一郎 氏

御厨

「二階さん、アジアインフラ投資銀行ですけれども、日本が参加に慎重でアメリカとともに参加を見合わす中で、イギリスを始め、雪崩をうったように参加という事態ですが、これをどうご覧になってますか」

二階

「まあ日本が慎重に対応しようとしておるわけですが、まだまだ締切まで日がありますから。慌てることはないと思うんですが。ここはやっぱり日本の慎重姿勢おおいに結構だと思いますから。これでよそが皆、早く走ったからこっちもバスに乗り遅れたら大変だと言って飛び込んでいくようなことはしないでですね。ここはここまで待ったんですから、慎重にやるという今の政府の姿勢で結構だと思ってます」

御厨

「丹羽さん、丹羽さんはこの銀行の中国の狙いって一体なんだと思います」

丹羽

「やはり、その中国はですね、今、新興国家の代表としましてね、今の既存のIMFとか世界銀行とかADBですね。こういうものに対しての発言権をですね、もう少し増やしたいと思ってますね。だからその辺のひとつの表れなんでしょうけど。なかなかその既存のアメリカ中心の世界的な銀行ですね。こういうものが改革が難しくてですね、ついにしびれを切らして始めたと。アジアの諸国はね、是非ですね日本に参加してほしいと思って期待しているんです。中国の独裁的なそういう銀行ではなくってですね、それをチェックするのはやはり日本だろうと。日本にぜひ参加してほしいと思っているはずです。それに答えて私は行くべきだと思うんですけどね」

御厨

「二階さんでどうですか、この点」

二階

「この間のボアオのフォーラム。これは福田康夫元総理が理事長をお務めになっているんですが、習近平さんとも綿密な話もなさったと思いますが。この間、明治大学かなんかでご講演をなさってね、この問題に対して触れておりますが。あの色々おっしゃっておりますが結論は、これは日本がこれに対して入らないというか拒絶することはないだろうと。このチャンスを活かすべきだというお考えを随所にもらしてます。我々もそういうことを念頭に入れながら、この大詰めをね、上手くやってもらいたいと思ってます。ですから日本が参加することと、そして同時にアメリカも参加してもらうということになればね、中国が独走するんじゃなくて世界的な経済発展のために 中心国といいますかね、それらの国々がある程度の期待を持っておりますから、これはこれで成功させるような結論に導くように努力をすべきでないかと思っています」

御厨

「丹羽さんどうでしょう。今回のことでも中国の存在がですね、大きいなという存在の大きさが浮き彫りになったわけですが。丹羽さん、今後の日本にとって中国はどういうものになるとご覧になってますか」

丹羽

「やはりね、世界はもう今、中国を抜きにしては語れないくらい影響力が大きくなりましたね。で、すべての道はローマじゃなくて北京に通じると言うように、ウォールストリートジャーナルが昨年の暮れに書いておりますから。それから規模から言いましてもね、おそらく後10数年たつとアメリカを抜くんではないかと言われるくらいですね。そうなりますとね、一番の問題はこのAIIBに関係する中国の通貨ですね。元がですね、ドルに対抗するくらいの力を持つようになると。中近東が全部入ってきたんですね、このAIIBに。これは大変に日本にとって困ることでありましてね。まあ日本は中近東との関係が深いですから。なんとしてもこの銀行に加盟してですね、この中近東と一緒になってね、このアジアの開発8兆ドルですねこれから日本のGDPの経済規模の1、6倍の投資がこれからアジアで行われるわけです。これにね、日本はぜひ中国と一緒になってね、中心を占めてね。中国を指導していかなきゃいかんですよ。彼らの勝手に動かしてはいけないと思います」

御厨

「二階さんはこの点どうご覧になってますでしょう」

二階

「当然日本が参加する以上はですね、日本の国際金融での経験。中国も意識しておると思うんですよ。日本のこの経験を多いにね、活用していきたい、相談していきたと思っていると思うんですよ。だからまだここはちょっと時間があるんで パーンとお別れになってしまわないでここは慎重に話合いをしていくべきだと思うんです」