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過去の放送 出演者 時事放談「サロン」 テレビプロデューサーの日々
 
 
第五三四回('15年2月1日 放送)
 「『テロリスト組織』に仕掛けられて」
 ゲスト: 野中広務 氏 / 古賀誠 氏

御厨

「新年度予算、金額が96兆円と過去最高な訳です。その中で消費増税先送りにより財源が減っちゃったと。これを理由に介護報酬の引き下げという事態になりました。野中さんはこの点をどうお考えでしょう」

野中

「補正予算という期待を国民に裏切った予算になったし、また当初予算も金額は最高でありますが、中身は高齢者やあるいは生活弱者に対して大変冷たい施策となってしまって。国民の希望もあるいは改善も十分なことが何も出来なくなってしまったという感じをみんなに与えていると思います」

御厨

「その点は古賀さんはいかがでしょう」

古賀

「そういう見方があるかもわかりません。特に防衛費がこんなに厳しい財政状況の中で伸びてきていると。その必要が本当にあるのかどうか、特に今国会、安全保障政策、集団的自衛権の議論が始まりますね。そういう中で防衛費まで、いや僅かじゃないかと言う人もいるけれども、率から言ったら0、いくつだと、そう言う人もいるけども、増えてることは増えてる。ほとんど当初予算で増えてるところの分野ってのはほんの僅かなんですね、ほとんど減なんですね、今年に比べると来年度のは。そういう中で、防衛費が増えてる。そうするとやっぱり軍事大国を目指していくんじゃないかと、こういう懸念を持つ方は沢山いらっしゃるし、近隣諸国にもそういう不安感っていうのが出てくるだろう」

「ですからよほど予算の審議の中で、国民には集団的自衛権の説明と合わせて防衛費の問題も議論して頂かなければいけない。もうひとつはですね、やっぱり社会保障費というのは1兆円増えてるんですね。で、これはですね、僕はちょっと野中先生と見解が分かれるのかもしれませんけども、いよいよですね、超高齢化時代が日本はやって来るんですね。今、人口構成見てみますと65歳から74歳1500万人、75歳以上の方が1500万人、およそ今。これが10年経ちますとね、なんと65歳から74歳までの方々は100万人減っていくんです、今の1500万人から。逆に団塊の世代が全部75歳以上になっちゃう。そうすると700万人増えるんです」

「超高齢化時代の中で、私はやっぱりその中で一番大きな分野は医療・介護。こういったことを考えてみますとね、そこはやっぱりなんかね、考えていく必要があるんじゃないかと。次世代の若い人たちへの負担とか、様々な事を考えますとね。確かに弱者に厳しいじゃないかという批判はあるかも分からないけども。ここはやっぱり少し本音を言ってね、やむを得ないところは国民にも、我々ももう75歳になっちゃう訳ですが、痛みというのは、負担っていうのは分かち合うことが必要なんじゃないかなと。私は若干そういう考えを持ってます」

御厨

「そうですか。まあ年金でも、低所得の年金受給者への月5000円の給付金、あるいは保険料支払い期間の短縮などが先送りになってしましました。この点は野中さんいかがでしょう」

野中

「私達のように年金を生活の原資として毎日の生活をしておるものにとっては、大変影響の大きい厳しい予算が自分達にかかってきて。特に介護手当てとか介護費がむしろ逆に上がっていく。そういう状況で、入ってくる年金は下がる、そして納めなくてはならない介護手当てとか介護費とか、こういうものが大きく負担にかかってくるというのは、国民が期待する政治ではないということを、むしろ国会の議論の中で、勇気を持ってこの予算のあり方について厳しい論議と結果を出して欲しいと思っております」