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過去の放送 出演者 時事放談「サロン」 テレビプロデューサーの日々
 
 
第五三〇回('15年1月4日 放送)
 「2015年 新春全力スペシャル」
 ゲスト: 石破茂 氏 / 前原誠司 氏

御厨

「先ずは石破さん。この国の借金が1000兆円を超えて、子どものクレジットカードで買い物をしている状態のこの財政。これをどうお考えになるかということですね。その中で、増税はとにかく見送ってしまいました。いかがでしょうか」

石破

「ですから、今の時代を生きるお金は、今の時代で払わなければならんのです。それを次の時代に先送る、そして次の時代の人達は今、選挙権ない訳ですよね。自分たちは選べない、だけども借金は払うという義務だけは負うという事になる訳で、それはどう考えても許される事ではないと思っています。今の時代を生きる金は今の時代で払わないといけない。だから消費税を上げなければならんという事は、それは1年半先送りますけども、確実に上げるということです。その間に地方の経済の活性化も含めて環境を整えなくてはなりませんし。と同時に、その間に財政が悪化する事を避けなければいかん。財政規律は守っていかなければならない。とすれば、当然社会保障の改革という事はやらざるを得ないです。でもその時に本当に困窮しておられる方、そういう方に対する手当というものを削るような事があってはならないし、次の時代の担い手である子育て、こういうものを下げることはあってはならないんですよね。ですから、どの層に、どのように充填化をしていくべきなのかというお話はしなきゃいかんでしょう。そして、子育てと違って介護とか医療とか年金とか、そういうものはリスクを回避出来なかった方に対する保険としての手当な訳ですよね。リスクを回避出来た方に対しても同じ手当をしてしまったらば、それはもう保険ではない、贈与になってしまう訳ですよね。そうすると、これはいくらお金があっても足りない。どうすれば一番困ってる方々に手厚い給付が行くかという議論は避けて通れないです」

御厨

「今、石破さんはこうおっしゃった訳ですが、前原さんはどうお考えでしょう」

前原

「1038兆円ですか、長期債務があって。そして安倍さんがおっしゃってる事で私ふたつ疑問なのは、1年半消費増税を先送った、だけども必ずやるという事ですけども、今回その景気脱却の腰折れを防ぐために延期したにも関わらず、本当に1年半後どうなってるか分からないですよね。それを必ず上げるということ言い切るという事の矛盾、これは私しっかり国会で追及していきたいと思いますし。1年半伸ばしたにも関わらず消費税の増税をですね、2020年のプライマリーバランスの黒字化達成出来ますとおっしゃってる訳で、これは極めて嘘っぽい話だと思うんですね。そこは我々野党の立場として、総理の言葉は重いですから、追及しなくていはいけない。ただ他方で、国として考えた場合、歳出の中で、基礎的財政収支、つまりは借金の返済を除いたものの1番大きいのは、40%以上が社会保障なんですね。その次に大きいのが地方交付税交付金。このふたつが大きな固まりです。従ってこのふたつを手をつけずにいわゆる財政再建っていうのはあり得ない訳で。従って社会保障の中でのムダを削ったり、あるいはギリギリまで削ったけども、それでもこれでは維持出来ないということであれば、どういう形で負担をお願いするのかは別にして、例えばマイナンバーで料金を把握して、今ストックとフローで言うとフローの所得のある人は現役並みの保険料貰ってますけど、ストックがある人も例えばもらうとか。そういう意味での歳入改革をやるとかいう事もやらないといけないと思いますし、あと地方は、まさに石破大臣に私はイニシアティブを発揮して頂きたいのは、権限・財源をできるだけ委譲し、その代わり地方交付税交 付金を圧縮して、例えば自分たちでもいろんな創意工夫の中で財源を考えてくれということで国の負担を減らしていくと。そういう分権をしながらですね、そして財政再建も図るという、このふたつの取り組みというのが必要じゃないかと私は思います」