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第五二九回('14年12月28日 放送)
 「2014年、私が選ぶ今年の重大ニュース」
 ゲスト: 野中広務 氏 / 半藤一利 氏

御厨

「歴史探偵半藤さんが選んだ2014年、重大ニュースの1位はなんでしょうか」

岡村

「半藤さんの1位はこちら。突然の師走解散、準備不足の野党に対しアベノミクスを掲げ、『与党大勝と低投票率』です」

御厨

「半藤さん、これを選ばれた第1位ですよ。理由」

半藤

「これは私はむしろ後のほうの投票率のですね、52%というのは何事かと私は思うんですよ。これは私、日本国民はどうにでもなれと、勝手にやってくれというような気持ちになっちゃってるんでしょうかなと」

御厨

「投票率が低いという事ですね」

半藤

「投票率が低すぎるという事で。選挙そのものがですね、新聞報道とかテレビで言われますように、大義名分がないとか何か無理だというところがあったとしてもですね、現実に選挙は行われる訳ですから、国の行く末を託す総理大臣を選挙で選ぶ訳ですから。だからもう少しちゃんときちっと国民が考えて欲しいなと思ってるのに、戦後最低ですか。これはちょっとね、一番大事なところに私たちの国がきてると思うんですよね。それなのにこれちょっとね、国民は勝手にしてくれや、俺たちの知ったこっちゃねえやと、そんなふうにまさか思ってるんじゃないだろうなという事で、非常に憂いて1位になったんです」

御厨

「この点、野中さんはどうお考えですか」

野中

「同じでしてね。52%というのは、特に若い人がね、投票に行かなかったというのは一番大きな問題ですよ。若い人がもう政治に関心を持たないようになっちゃってるというのは、これからの日本をどうするんだという事になっていくんですよ。しかもね、選挙に安倍総理が全国を駆け回って演説をして、同じパターンで、最初に候補者が5分やって、後を総理が15分やって、後総理が降りてスキンシップを聴衆とやって、このパターンでずっと、大変こちらでは見ておって驚くような回数と地方を回って、その中で総理の行う演説というのは株価と雇用の改善と、そういう柱はあってもですね、今度の選挙の結果で多数を得たとは言えね、憲法の改正とか安全保障とか、そういう具体的な公約とかそういうものがほとんど聞かれないで、「この道しかない、この道しかない」という何か景気が改善されるというような、そういう期待だけ与えられたような気がしてならないんですよ」

御厨

「野中さんはそこをやっぱり個人的にはすごく憂いていると。半藤さんどうでしょうか、野党がね、準備不足だったと言われてます」

半藤

「これは準備不足って、まあ突然と言えば突然ですけどね、でも議員さんは常に選挙っていうのは考えなきゃいけない事ですから。準備不足というのは言い訳に過ぎると思いますね」

御厨

「そういうふうに思われます」

野中

「民主党が170人より候補者が立てられなかったと言うのがね、最初からもう選挙を捨ててるという事になるんですよ。政党というのはそんな訳にはいかんですよ。特に政権を3年半も担当した民主党が270人くらいの候補者を立てられなかったというのは大変、選挙に負ける事を覚悟した選挙になったと」

御厨

「そこが問題ですね」