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第五二四回('14年11月23日 放送)
 突入「選挙戦」
 ゲスト: 藤井裕久 氏 / 増田寛也 氏

御厨

「少子高齢化が進んでですよ、毎年社会保障は1兆円ずつ増えていくという状態で、社会保障制度を続けていく。そのためには自民・民主・公明で合意した消費税10%になる訳ですね。今回、先延ばししちゃった。藤井さんはどうお考えでしょう」

藤井

「まずひとつはですね、少子高齢化が極めて急速に進んでいる訳です。反面ですね、潜在成長率というのは、けして高くないんです。現にですね、人がもう少なくとも土木建築のようなものは足りないといわれてる訳です。介護はもっと来いといわれてますが、実際は足りなくなってる、そうすると公共投資の不調などが出てきてると。つまり潜在成長率は高くない。反面において少子高齢化はどんどん進んでいると、このギャップをどう埋めるのに何だということで、3党合意が行われた訳です。そしてしかも3党合意では、もうこの消費税のお金はこの4つしか使えないと明確に言っている訳ですね。ところが何かこの頃それも、ここで野中さんは「あれは軍事費に使うんじゃないか」なんて言っておられましたけど。それはないにしろですね、非常に曖昧になってるんですね、そういう事からいうと私はですね、増田さん言って下さって大変ありがたかったんですが、消費税は予定通り上げるべきだと。現に45人の専門家に聞きましたね、そしたら27人という60%の人は上げるべきだと。増田さんと同じ意見なんです。11人だったかな、要するに20数%の人が考え直したらいいという安倍さんと同じ意見なんです。この事はね、僕は社会の良識を現しているように思います。今のようなギャップですね、成長率は低くなってる。それにも関わらず少子高齢化はどんどん進んでると。この事態を解決するにはこれしかないというふうに私は思っておりますから反対なんです、やめる事については、延ばす事については」

御厨

「分かりました。増田さんいかがですか」

増田

「私は知事してましたのでね、今回の消費増税が自治体財政にどう影響してくるかというところが気になりましてね。5%のかつての税率の時はですね、それを実は4対1で分けたんではなくて、地方交付税を通して、国から地方に行くんでですね、実際には2,82対2,18と。2,18が地方の取り分だったんですね。8%になった時地方の取り分が3.2%になって、今回10%にもし上がっていれば3.72%が地方がもらうということになって、そこが入らない。3.1%のままでですね。そこの増える部分で例えば子ども子育ての対策をとるとかですね、色々来年の4月からの計画を自治体で既に立ててですね、認定子ども園などはもう10月から募集を開始してると。今そういう作業始まってるんですね。ですから、国の場合にはもし決められた収入が入ってこなければ、窮余の策として赤字国債を最後発行するという奥の手があってですね、まあ今回やるかどうか別にしてもね、逃げ道があるんですが、自治体の場合には地方債の発行が禁じられているんでですね、ですからその対策をどうするのか。普通に考えると、もし今のままですと少子化対策とか本来予定してたものは削らないとこれをやっていけないという状況なんでですね。ですから地方財政というか地方自治体が社会保障で、特に子育てなどは相当に役割果たしてますから。そこが本来であれば削られる事のないようにしていくべきだったんではないかと思いますね」

御厨

「藤井さん、国の借金も1000兆円を超えるというね。3党合意の時は、子どものクレジットカードで買い物をしているという状態だといわれた訳ですけども。これが解決できないことをどうお考えでしょう」

藤井

「それはですね、政治の責任だと私は思っています。そこに本がありますが、私たちが書いたやつではですね、要するにやはり船長にしたのはね、大蔵省の責任だっていうんじゃなくて、やっぱり政治家の責任だと私は思っているんですよ。もちろん大蔵省も責任の一端を持ってます。ですからね、やっぱりね、政治家はもう少し謙虚に考えなければいけないというふうに思っておりますし、ここでまた伸ばすということ、まあその後にちゃんとくっついてますよ、もうこれでおしまいと。そしてちゃんと2020年には基礎的財政収支をゼロにする、これ口だけですよ。誰が考えても出来ません。もしその話にいけば言いますけどね」

御厨

「さあ増田さんはいかがですか」

増田

「やはりこういう問題の政治家の果たすべき役割は大きいと思うんですよね。将来のこういう財政健全化にむけて、どれだけハードルが高いかっていうのをやはり前から唱えてなくちゃいけませんし。それから後、この間の安倍総理の会見見てますとね、来年夏までにきちんとした健全化の計画を作るとおっしゃってたんで、それが2020年のですね、プライマリーバランスの解消とどういうふうに上手く結びつくのかですね、これはこれからよく見ていく必要あると思いますね」