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第五二三回('14年11月16日 放送)
 「さあ、解散・総選挙」
 ゲスト: 野中広務 氏 / 古賀誠 氏

御厨

「今回の解散のタイミング。安倍総理にとっては良かったとして、有権者にとっての意味は何か。選挙の大義があるのかどうか。野中さんズバリどうでしょう」

野中

「選挙の大義は解散です。解散以外に選挙の大義はないんです。それは政権を自分の手で維持をしていくという事に繋がるんです」

御厨

「なるほど。そうすると、古賀さんはどうでしょう」

古賀

「やっぱり大義というのは国民に明らかにして明確にすべきだと思いますね。まあ色々言われてるんですけど、私自身はですね、この解散というのは攻めの解散。与党が過半数しっかり取れるというね、そういう状況判断でおやりになったと思うけれども。ひとつの風の吹き方ではですね、むしろ大変なリスクも伴う。それはやっぱり大義というものを国民に明確に説明できるかどうかだと。やっぱり消費税の先送りだけではね、私は国民の皆さんには明確な説明にはならないと思いますね」

御厨

「この点、野中さんいかがですか」

野中

「その通りですよ。消費税の先送りについて代わりになる社会保障の充実。こういう問題について全部先送りしたという、そういう政治責任を国民に明らかにしなきゃいけない。そういうふうに私は思いますね」

御厨

「アベノミクスで1年10か月いろいろやって来た訳ですが、株が上がる一方で、景気が良くならない。これはなぜだと野中さんはお考えでしょう」

野中

「これは一部の株主だけで、株を投資する人は限られておる訳ですよ。今、本当に低い給料で働いている人やら、職のない人やら、あるいは生活の苦しい人というのは株なんかやっておれない状態なんですよ。そこをこの消費税でこの人たちをカバーしなきゃいけないという重大な時を自分たちで先送りをして、これで日本の平和と安全が確保されるかということに非常な懸念を持つわけですよ」

御厨

「古賀さんはどうでしょう。この問題」

古賀

「僕はアベノミクスの一定の評価はね、これはせざるを得ないと思いますね。今お話あったように、為替の円安がここまで進んで良いかどうかは別にして、民間企業の投資も増えてきてますし、何といっても失業率はもう3%、税収も1年間で約10兆増えてますね。ただ、それだけでいいのかどうか。今、先生ご指摘いただいたように、株価も確かに倍にはなってますが、それはまあ国民全体からいったらそりゃ1%か2%の話ですよね。だからこそ生活者はむしろ段々円安の逆効果が出てきてるんですよね。生活苦しくなってきてるというふうに言われる。だから、やはり一定の評価はしながらも、一番大事な国民の生活、地方経済、それから日本経済の屋台骨であります中小零細企業。こういったものへのですね、政策というものが、遅れているというよりも明らかにされていないんですね。だからアベノミクス完結には2年かかると今言ってますよね。そうであればこの解散の大義というのはね、これらの道しるべをしっかり作るという事じゃないかと思いますね。これでやるんですと、それが明らかに国民に安心感の持てるような政策をね、説明出来るかどうかというのは非常に大事な事だと思います。私自身は一定の評価はしつつ、むしろその事によって出てきている格差、こういったものをしっかりと国民に説明出来るような政策を国民に言えるかどうか、これが大義だと思いますね」