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第五一六回('14年9月28日 放送)
 「スタート臨時国会」〜なるか反転攻勢
 ゲスト: 枝野幸男 氏 / 増田寛也 氏

御厨

「『地方創生』の掛け声の中で、新幹線の整備の話も出ている。この点を枝野さんはどうお考えでしょう」

枝野

「私は新幹線が一番走っている大宮の選出なので、新幹線のない地域の皆さんがね、やっぱり便利になりたいと言うことで新幹線求めていくことには答えていく必要あるんだと思いますが。でもそれが地方創生に繋がるのか言うと、だれが、どういう目的で乗るんですか、と言う事を考えなきゃいけない訳で。例えば新幹線が出来たらその分、空港の利用者が減るみたいな話ではないですかと。で、今の社会の中で、じゃあ新幹線が出来たからそこにどこかの企業が進出してくる。それ、何を作ってどこに売るんですかと。そのことを考えないといけない訳ですよ。そうするとむしろ地方創生と言う観点からは、まさに地方は高齢化が進んでます。その高齢者の皆さんが、安心して住むのには、やっぱり都会よりはある意味では地方の方が利点があったりする部分もあるわけですよね。そういうところを生かして、高齢者の皆さんが安心して住めるし、その住む高齢者の皆さんを支える事で若い人達の所得になる、という循環を作り出していく。こういう所で地域を守っていくという事こそが、私はリアリティーがあると思っています」

御厨

「なるほどね。増田さんは、地方創生の会議のメンバーでもいらっしゃる訳ですけども。この地方創生が今の感じでいくと、どうも少子高齢化の人口問題。これが大事だったはずなのに、ちょっとずれちゃってですね、アベノミクスの恩恵を全国津々浦々に及ぼすと言うそういう景気対策になってるんではないかという感じもする訳ですが。その点いかがでしょう」

増田

「今の点は非常に重要なポイントでですね。やはり少子化対策と、いわゆる地域の活 性化ですね。さらに言うと女性の問題。これは全く男性が社会の中でね、本当に大 学卒業してから結婚・出産・子育てに全く繋がっていかないような地位になってますよね。だからこの3つを同時に解決すると。要するに地方の経済活性化するということは今までも何度も行われてきましたけども、そうではなくて、少子化対策と同時にやるとか、そこが今回の一番ポイントになりますから。なんでこの地方創生というのを今年新たにやるかって、そこのところをきちんと踏まえておかないとだめでしょうね。さらに言えば、整備新幹線は前からの懸案で、それはそれできちんと解決すれば良いと思いますが、それと私は地方創生とはストレートには結びつかないように思いますね 」

御厨

「なるほど。その点、今増田さんこう言われましたけど、枝野さんいかがですか」

枝野

「私はですね、地方を元気にするというのは、経済から入っていくのではなくて、結 果的に地域の中でお金が回る。あるいは地域の中に暮らしていけるという、その暮らしのところから地域社会をどう支えていくのかと言う事をやる。結果的にそこでお金が回っていけば経済も回っていくという、こちらなんじゃないだろうかと。少なくとも高度成長型の新幹線とかですね、こういった形で地方が元気になる時代じゃなくて。むしろ一種のストロー現象で、便利になればなるほど、お金も人も都会に吸い上げられるという、実はマイナス効果も少なからず色んな地方で既に出ていると言うことを考えていかないといけないと思います 」