「さあ、原発再稼働ですけども。このほど川内原発で事実上の安全審査に合格したという訳ですね。この再稼働については、賛成の意見、反対の意見が対立する中での動きになりますけども。まず浜さんこれについてどうお考えでしょう」

「まあそもそも、貿易の赤字が拡大するから原発再稼働しなくちゃだめだっていうこの言い方が、実にまやかしと言うか姑息な発想ですよね。貿易赤字は勿論円安の影響もあったりする訳で、これが大変だから原発再稼働絶対しなきゃだめっていう言い方をするのにすごく姑息さに腹が立ちますね。と言うのがまずは出発点ですし、あとは安全性の判断っていう所、これから議論する所でしょうけど。まあ規制委員会の言い方は正しいと思いますね。安全だって言ってる訳じゃないよと、安全性が相対的には高まったとは言えると、それと再稼働して良いということとは全然一対一の対応ではないと思いますから。至極それはもっともだと思いますね」

「片山さんいかがです」

「私は田中委員長がいみじくも安全だと言う訳ではないと。これは装置ですね、装置の構造とか内容が基準を満たしてるかどうかのチエックをしました。それは合格しましたという訳ですよね。そしてもうひとつは地質の問題もやってますよね。ですけども、福島の事故に鑑みますとですね。まあ装置もいけなかったんですけど、それ以外にいざ事故があった時に逃げる避難の計画とか、それのシステムですね。自治体の役割、国の役割、そういうことが出来てなかったわけですね。そうしますと今度は事故を閲した訳ですから、川内、鹿児島でもそのことがちゃんと出来てるんですかということですよね。これは鹿児島の知事が記者会見でいみじくもおっしゃってるんですけど、10キロ圏で良いよと、避難計画は。国はすでに30キロと言ってる訳ですが、10キロ圏で良いよみたいな発言をされてて、規制委員会がちゃんと安全だと言うのでそこに委ねてるんだから良いじゃないかというような事を言われてると報じられてる。そうしますとね、トータルとしての安全って誰がチエックするのか。と言う事を非常に不安に思いますよね」

「まあそのお話は非常に重要でありまして、今も出ましたけど。委員長は「安全とは申し上げない」と、そして政府側は「安全は規制委員会の判断に委ねる」と。で、電力会社は10月の再稼働を目指すと。これ浜さん、責任が極めてうやむやなんですけど、政府は責任取らないってことですか」

「みたいですね。これもう集団的無責任体制ですよね、言ってみれば。全て判断を逃げてる、やっぱり国が規制委員会が言った事が再稼働ＯＫに繋がるというふうに言っている。これは本質的にナンセンスだと思いますね。その見解を受けてなぜ再稼働をしなければいけないのか、どうしても再稼働しなければダメなのか、今片山さん言われた安全対策、避難計画とかそういう部分でもきちんと万全が期されているのかと言うような事を全部吟味した上で、政府として責任を持って再稼働でいきたいと思いますということを国民に言うと、そういう流れだと思うのが、もうそういう技術的な判断が出たからＯＫでしょうと。で、まあ繰り返しになりますけど貿易が赤字になるというような、そういう話とこういう極めて危険性が大きいものをゴーサインを出してしまうと言う所が結びつくというような所。ものすごくやっぱりその辺が見識が欠如している、責任感が欠如している。本当にこれは政府と言うものの名に値しない姿勢ではないかと思いますよ」

「片山さんいかがですか」

「私ね、他にも気になる事ありましてね。福島の事故の事思い出しますとすね、あの時いよいよとなった時には、決死隊でも編成してやはり何らかの措置をしなきゃいけないっていうそういう場面になりかかったこともある訳ですよね。そうしますと、今度鹿児島の川内原発で再稼働するってなった時にね、万が一本当に事故が起きた時に決死隊ってのを編成できるんですか、誰が行くんですかと、言う事もありますしね。それから福島の時は東京消防庁の精鋭部隊が、これは特殊な訓練を受けた特殊な装置を持った部隊が福島に乗り込んだ訳ですよね。そこで水を注入した訳ですね。これがなかったらもっと大変なことになってた訳です。じゃあ鹿児島の場合、東京消防庁が行く訳にいきませんから、鹿児島県内でそういう人員とか体制があるんですかってことになると、ないんですから。私がもしね、鹿児島県の知事だったらとてもじゃないけど安心して寝られないですよね。もっともっとやらなければいけないことがあると真剣に悩みますよね。その辺の事を、どうこれから地元の理解を得る、知事の責任ですから。どうされるのかなと思って、元知事をやったものとしてはすごく心配になりますね」