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第五〇七回('14年7月20日 放送)
 「隣の超大国」との付き合い方
 ゲスト: 増田寛也 氏 / 丹羽宇一郎 氏

御厨

「さぁ増田さん。この川内の原発が事実上安全審査に合格したというわけですが、様々な意見出てますけど、増田さんはどうお考えですか?」

増田

「福島であれだけ重大な事故が現実に起きたわけですから、全ての関係者がここはきちんと謙虚になってね、考えていかなければならないと思うんですね。その上で、私は今のエネルギー状況から考えたり、需給関係ですね。それからCO2の問題もありますよね。ですから安全な原子力発電所。ここは一定のきちんとした厳格な審査の上で、安全性をクリアしたものは再稼働させるべきだという風に以前から言っております。そういう風に思っているんですが、これで規制委員会は1つの判断をしましたけれども、まだまだ残された課題がすごく多い。今ちょっと話があった避難計画の問題ですとか、これから自治体に対して、同意の手続きに入ると思うんですが、どの範囲の自治体から同意を頂くのか、それをどういう、首長だけでいいのか、議会の方はどうなのかっていうこともありますよね。ですから、これだけの事故の後ですので、再稼働に血道を上げるというよりは、やっぱりひとつひとつ、手順を新たに確立する。2度と間違いを起こさないようなつもりで、やっていくということが、少しずつ国民も冷静にこの問題を見れることになるんじゃないかと思います。まだまだ慎重にですね、ひとつひとつ課題を、どういう課題があるか、どういう問題があって、どういう風にクリアしていかなくてはいけないのかってことをやっぱり、言っていかなくてはいけないと思います」

丹羽

「国民がね。一番の問題は国民が安心できるような、この電力の需給というものを 考えなくてはいけないと思う。規制委員会は、技術的にOKと言ったに過ぎないんであって、政治の責任をですね、規制委員会をそのまま追認するんではなくて、技術的にはOKだけれども、政治的に国民の生活を考えたら、将来も含めて、政治は責任を逃れちゃいかんと思うんですよ。責任逃れで、規制委員会にですね、結論にね、追随することはよくない。むしろ、逆にですね。住民、周辺の人々の意見をよく聞いて、政治が判断すべきですよ。責任逃れとしか私は思えないですね。規制委員会に全てね、お前が判断したんだと、いう方じゃない、最終判断は政治だと思います」

御厨

「丹羽さんね、福島では今も汚染水問題が深刻な状態なんですけども、どうお考えですか?」

丹羽

「このね、アンダーコントロールにあるっていいますけど。国際的にもね、やはり皆さん納得していないですね。政治の言葉がね、軽すぎる。従って、これについてもですね、政治不信というものが起きるのではないか。要するに、これは誰が一体責任をもっているのか、経産省ですか、東電ですか、あるいは内閣ですか。あるいは地方自治体ですか。これをですね、この川内の原発で終わりでなくて、これがスタートでですね、いったん一つの仕組みが出来ますと、次から次へね、続いていく訳です。これは大変慎重にやらないといけない。しかも、政治は逃げてはいけない。ということを政治家は自覚して、これをGOというかSTOPというか決めないといけないですよね。非常に無責任体制ですよね、今は」

御厨

「さぁ、増田さん。今後の段取りはどうなりますか?」

増田

「まぁ、今おそらくですね、規制委員会が、これパブリックコメントにかけるはずですが、この特段のあれがなければですね、規制委員会としては手続きをですね、GOサイン出しておしまいってことになると思うんで、まさに今度は自治体の方のですね、地元の同意手続きと、これは政治プロセスだと思いますね」