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第五〇四回('14年6月22日 放送)
 「国会閉幕で…」
 ゲスト: 野中広務 氏 / 古賀誠 氏

御厨

「今回の解釈の仕方ですけども、これまでは集団的自衛権を認めないっていう結論だった例の田中内閣時代の見解を持ってきて、それでその結論だけ認めるというふうに転換をした訳ですね。この点、野中さんどうお考えですか」

野中

「72年田中内閣の時はね、集団的自衛権というのを認めないというそう言う事を決めたんですよね。それが今度上手に利用されてですね、集団的自衛権を認めるんだというように72年の決定を言われてるというのはね、そもそもここに至る間の説明が一貫してないって言う事を物語ってると思うんですよ」

御厨

「古賀さんどうですか」

古賀

「全く野中先生おっしゃるように、すり替えに過ぎませんね。72年、あれは認めないと言う事なんですね。これを認めると言うのはすり替え以外何物でもない」

御厨

「それから野中さん、紛争中の例のホルムズ海峡の機雷の除去まで議論されてますが、野中さんこれどう思われます」

野中

「湾岸戦争の時にね、官房副長官だった小沢一郎さんが、全部1兆3000億円という尊い税金を出して、あの戦争の始末をした訳ですよ。けれども自衛隊がイラクに対して行きましたけども、オランダ軍の援護を受けて戦争に参加することはなかったんです。けれども戦争が終わった後、ワシントンポストにですね、クウェートの政府が各国の国旗と国を描いて、皆さんお世話になりまして、お陰でクウェートは平和を取り戻すことが出来ましたという広告を出した中で、日本の国旗も国の名前もなかったんですよ。こう言う中で、日本はまた世論が承知しない状態の中で、読売新聞の一面を買ってですね、クウェートが日本の皆さんありがとうございましたと、こういう広告を出して事が収まった。ところがこう言う事を世界の皆さんが知ってる訳じゃないんです。そういう過去があるのにですね、どうしてこう言う形になるのか私には理解できませんね」

御厨

「なるほど、古賀さんいかがですか」

古賀

「本当に何でこんなにテンポ速くね、色んな事を次から次にとですね、この時期に議論しなきゃいけないのか分かりません。とっても危いし、将来禍根を残す議論がテンポ速く進められていると。非常に残念に思うし、怖い思いがします」

御厨

「野中さん、先ほどもちらっと出ましたけども、公明党は当初、ずっと慎重論だったんですね。ここへ来て限定的ならば容認するという、この変化と言うのはどうしてなのか。当初から公明党は連立離脱はしないというふうには言っていたんですけど、どうでしょう」

野中

「公明党はね、支持母体を含めて、平和で立党した訳ですから。この公明党がこういう議論に乗っていくと言うのは、苦渋の選択だと思うんですよ。ずいぶん北側さんやら山口さんは苦労に苦労を重ねて、なんとかこの連立というものを、15年経ったんですからね連立して。だからこの時を大事にして、経済の安定や生活の安定をもたらそうとして努力してくれてるんですよ。それを追いかけるようにしてですね、閣議決定でことを終わろうとするのがですね、どうしても納得出来ないし、それが戦争に繋がるんだ、人殺しに繋がるんだと言う事を、国民の皆さんが知って欲しいと思うんですよ」

御厨

「古賀さんいかがでしょう」

古賀

「公明党さんに非常にご苦労頂いてですね、自民党はどうしてるのか、と言う事ですよ。特にハト派は何をしているんだと。もっとですね、やっぱり党内議論をね、自民党内でやってくれないと困りますね。何でもかんでも公明党さんの苦しい立場の中にね、すがっていくなんてみっともない。もう少し自民党は自民党の党内で議論して、ハト派はハト派らしくもっと声を出す人がもっとあって良いと思いますね。やるべきだと思います」