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過去の放送 出演者 時事放談「サロン」 テレビプロデューサーの日々
 
 
第五〇二回('14年6月8日 放送)
 「今、何が起きているのか…」
 ゲスト: 片山善博 氏 / 浜矩子 氏

御厨

「まず注目されるのは、いわゆる130兆円もある公的年金の積み立てをこれまで以上に株式投資に回すと言う事です。浜さん、これが成長戦略として出てきていることを含めてもう一度お話を伺いたいんですが」

「もう怒りが募るばかりですけど、こんなことやっててまたリーマンショックが起こったらどうするんですかね、と思いますよね。株価が暴落する局面に来てしまった時にどうやってそれについて懺悔をするんだって言う事だと思いますね。まあそれも含めて成長戦略というのは実にいかがわしいと思います。それちょっと関連しますけど、先ほど片山さんが言われてたアルバイトの時給が上がっていると言う話ですけど。これもまた非常にいかがわしいと言うか怪しげな。まあ要は熱くなりやすいところを煽ってるから、そこで急に人手不足になったと、と言うので、ちょいと冷たい所から出稼ぎも受け入れまっせと言うんで時給を上げると。そんなことをやっている訳ですよね。これはまた局面が変わればまたそう言う人達はすぐ放り出す訳ですから、そうやって労働の価値を思うように操作するって言うような方向に経済が動いていってしまってる。で、まあこの成長戦略というのも、そう言う方向にどんどん、そういう非常に歪んだ状況に日本経済をどんどん持っていくという方向が極めて濃厚ですよね。その年金の運用の話はこれはもうやっぱりむしろ慎重にリスク度を下げていくっていう方向で考えるのが責任ある姿勢だと思いますけど、どんどんそれとは正反対の方向に行っていると。こういうのを放置していくという事はあり得ないですね。ちょっともうなんとかしないと」

御厨

「片山さんいかがですか」

片山

「あの、年金の財源と言うのは将来の多くの人の生活費ですから。一番受容な事は、安全で確実で出来れば有利という。間違っても博打のようにですね、投機的な所に投資をするっていうのは慎まないといけないと思いますね。これ何年前だったでしょうか、かつての自民党政権の時代ですけども。3月31日の企業の決算の期末の株式の額を上げると言う事で、当時PKOと言ってましたけど、プライスキーピングオペレーションで。で、それに投じてある程度スッてしまった事があるんですよね。そういう経験があるんですから、今度また大々的にやってそうなった時に、さっき浜さんおっしゃってましたけど、誰が責任取るんですかと、モラルハザード起こす可能性がありますよね。その時にね、私かつての時に思ったのは、あの時も国家公務員とか地方公務員の共済年金は投資してないんですよ。それはちゃんと確保してあるんですよ。で、国民年金とか厚生年金とかそう言うものだけを投資の対象にしたんですね、株価操作のために。で、今回もおそらくそうなるんでしょうけど。善し悪し別にしまして公務員の年金財源からやってみるって言うならまだね、信憑性ありますけどね、やっぱり慎重でなきゃいけないと思いますね」