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第四九六回('14年4月27日 放送)
 「『オバマ大統領来日』で…」
 ゲスト: 野中広務 氏 / 古賀誠 氏

御厨

「集団的自衛権は今、日本国内で議論が分かれていることなんですね。これについてアメリカの大統領が検討を歓迎、支持すると明言した。この点について野中さん、もう一度お考えを聞かせてください」

野中

「それはね、大統領がそれはいけないとは言えませんよ。だけど、解釈でやって良いとは言ってないんですよ。集団自衛権を有識者会議で決めたからこういう風に解釈したとか、あるいはその解釈の最高責任者は総理大臣安倍晋三であるとか、こういうように言ってはないんですよ。だからやっぱりね、公明党の山口委員長が言うように、有識者と言うのは都合の良い回答をしてくれる人という言い方になっちゃうんですよ。みんな今までのあらゆる問題で有識者懇談会ってたくさん作られてますよ、だけどね、国会で論議するという場が無くなるって言うのはね、議会制民主主義の基本に関わる問題なんです。だからどうしてもやりたければ国会の場で審議するという基本を間違えないで、それをやるんなら憲法改正を行うと言う大所高所に立たないとできないんですよ。オバマ大統領はそこに触れてないんですよ」

御厨

「その点、古賀さんいかがですか」

古賀

「僕は集団的自衛権はやっぱり憲法を改正して政治の手順は王道を歩いていくと、この基本は私は今でも考え方は変わりません。だからオバマさんとどういうやり取りがあったか分かりませんけども、我が国の集団的自衛権って言うのは歴代の政権がですね、積み上げてきたあの憲法に違反するんだと。だから日本の軍には実力公使を認めないんだと言う9条の精神と言うものをですね、しっかり議論してやるべきであって、集団的自衛権の議論と言うのはそれだけ大事に丁寧に時間をかけて国民の理解を得る。私は、そういう拙速なテンポの速い議論ではいけないと今でも思ってます」

御厨

「野中さんがおっしゃったんですが、有識者懇。この有識者懇の報告書が連休明けには出ると言われています。そうすると日本の国内的には、つまり安倍さんはこれで解釈改憲に向けて有識者懇の報告書が出た事によって勢いを付けていきたいという感じになるような気がするんですけど。これに対してはどうでしょう」

野中

「それはね、現職の国会議員がそのまま認めたら、国会議員としての職責を放棄したと言う事になるんですよ。国会の議論と言うのがね、基本にならなければ議会政治と言うのは成り立たないんですよ。だから若い人にね、聞いて欲しいんですが、集団自衛権で攻撃をする事が出来るっていうのは、相手が攻撃をしてくると言う事に変わるんです。だから、かつての戦争のように色んな爆弾を落とされたり、殺したり殺されたりする。そういう惨たらしいことが必ず出てくるんですよと言う事をね、若い人がね、認識してくれなきゃならないんですよ」