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過去の放送 出演者 時事放談「サロン」 テレビプロデューサーの日々
 
 
第四九一回('14年3月16日 放送)
 「揺れる世界の中で」
 ゲスト: 仙谷由人 氏 / 田中均 氏

御厨

「仙谷さん、日韓関係と言うのは仙谷さんが官房長官時代にも深く取り組んだ問題ですけども、現状についてどうご覧になってますか」

仙谷

「私も2010年の時は、ちょうど韓国併合100年と言う事でですね、これからの新たな未来志向の日韓関係作るために一定の反省、謝罪、そして未来志向をこうやって作っていこうということで、少々尽力をしました。そこでですね、韓国側も多少は仙谷は話しできるかもわからんという雰囲気はない訳じゃないんで、田中さんもそうでしょうけども、私もアヒルの水かきみたいな事を今もやってるんですけども。

何と言っても今の韓国の雰囲気ですね、いわゆる知日派と言われてる人とかですね、今まで色んな事が日韓、歴史的にあるんだけども、未来志向でやっていこうよというキムデジュン大統領以来のですね、これを受け継いでやってきてくれた人が物言えなくなってるという状況があってですね。例えば私と親しく付き合ったら、ネットに攻撃される、新聞に攻撃されるから嫌だみたいな雰囲気が強くてですね。ちょっと、どこからほどいていけば良いのかが、なかなか分からない状況になってます。

ただ、色んな懸念ありますけども、ワールドカップあるいはイミョンバク大統領との2010年までは、誠に良い方向に向いてた訳でございましてですね。これはなんとかお隣の国としてね、それから歴史問題ありますけども、それをちゃんと我々踏まえつつやっぱりちょっとでも良くしないといけないと思ってますよ」

御厨

「田中さん、その日米韓の首脳会談が、まあ調整不調という事ですけども、田中さんどうお考えでしょう」

田中

「私はね、アメリカに言われて日韓の首脳会談をやるとか、日米韓の首脳会談をやるという事自体がおかしいと思うんですよね。日本にとってね、やっぱり日韓関係は大事だから、日韓をいかに良くしていくかという発想が、まずあるべきであってね。アメリカが中に立ってですね日米韓の首脳会談をやるって、ものすごくテクニカルな議論になっている訳ですよね。だから私はね、仮に安倍首相がね、日韓の首脳会談をやりたいんだと言ってもそれが伝わらないんですよ。本当に日本が日韓関係を良くしたいと思ってるのかと言うことについての疑問がね、韓国側にあるし、逆も真なりなんです。

私は今の韓国の態度が正しいとは全然思ってない。異常にね第三国に行って日本の悪口を言いまくるなんてことはね、本来あってはならないんですけどね。だけど日本の方が圧倒的に先進国なんですよね、ですからやっぱりね、日本がどうするかと言うことについて綿密な下準備がいるんですよ。突然外務次官が行ってね、それで何か結論が出ると、それであれば良いんですけど、出ない時にはね、また日韓で揉めてるという雰囲気がどんどんどんどんお互いの国内世論を悪くしていく。

それで、私はびっくりしたんですがね。先週でしたかね、ソウルで非常に大きなシンポジウムに参加したんですよね。それで私のパネルが始まる前に、聴衆が500人くらいいたんですけど、そこでイーボーディングって言って、コンピューターで果たして日韓がこれから軍事的衝突に至る可能性があるかないかという質問を主催者が出したらね、なんと15%の人が軍事的衝突に至る可能性があるということを。それほどね、やはり日韓の国民的感情っていうのはささくれだっている訳ですよね。こんなことはね、私あってはならないと思うんですよ。だからやっぱりね、日本政府も韓国政府もね、この国民感情を鎮めて日韓関係って言うのをきちんと立て直すんだっていう決意を持ってね、単に口だけで首脳会談をやれば良いとかね、そういう話じゃないんですよね。もっと私は重要な事だと思います」