時事放談 トップページ 毎週日曜あさ6:00〜6:45
過去の放送 出演者 時事放談「サロン」 テレビプロデューサーの日々
 
 
第四八五回('14年2月2日 放送)
 「スタート国会本格論戦」
 ゲスト: 田中均 氏 / 増田寛也 氏

御厨

「世界が色々と心配している一方でですね、日本国内では中国への反発、そして靖国参拝への支持がかなりあると言う点、これ増田さんどう見られます」

増田

「まあ安倍政権全体が右傾化しているかをどう見るかというのは、どこに座標軸を置くかの問題あると思うんですが、若い人達はそれにかなり肯定的であると。それはそれとしてね、私は何と言うんですかね、非常に短絡的にね、パッと飛びつくような傾向が、まあ若い人達のそういう世代の人は怒るかもしれないけども、私なんかはですね、ちょっと危さを感じますね。それと、一方でNHK会長の話がありましたけども、私も発言の模様っていうのを見ましたけどね。まあ私も総務大臣をやりましたけども、経営委員会がきちんと選んだ方ですけどもね、何でこの人はNHKの会長として会見してるのか、個人の考え方を色々述べてますけど、なんでオランダの飾り窓の話をするのかとかね、ちょっと私は首をかしげたというか目をそむけたくなるような、そんな会見でしたね」

御厨

「今の問題について、田中さんはどうお考えでしょう」

田中

「いくつかあるんですけど、日本は一人で生きてる訳ではないんですよね。確かに靖国に行きですね、戦争で亡くなった方の霊に意を用いていくというのは非常に大事なことだとは思うけれども、周りの国がね、ものすごく気にするってことも事実なんですよね。慰安婦の問題になれば必ず韓国は反発することは明らかなんですよね。何故かって言うとね、日本はやっぱり加害者だったんですよ。ですからそれを忘れてね、対等に言い合えばいいんだということであるならば、慰安婦の問題って言うのはどこにでもあったよねと言う言葉を日本人が使う事によってね、どれだけ他の国の人々の心を傷つけるかと言う事をね、もし人々が考えないとすれば、やっぱりおかしいんじゃないかって私は思う訳。一方においてはね、アジアは内需だと、内需として活用しないと日本の経済は立ち入っていかないよということを言いつつですね、これだけ相手の気持ちも考えないで物事を進めていくっていうのは、私はちょっと常識的じゃないと思うんですね。もう少し相手に向き合おうよと、自分の主張は大事だと思うけどね、やっぱり相手の事ももう少し考えた形で自己を発揮すると言うことにしてもらいたい。若い人もそうしてもらいたいという風に思いますよ」

御厨

「確かにそうかもしれませんね。どうなんでしょう、若者の右傾化っていう問題は時々ここでも議論になるんですけど、やっぱりどうですか、増田さんなんか見ておられて、そういう感じします」

増田

「全体でどういう事象にどう反応するかっていうのはね、全部見てる訳ではないですけど、今田中さんおっしゃったように、やはり他の国との関係の中で日本は、それとの関係の中でしか国を成り立たせて行くこと出来ない訳ですね。ですからやっぱり390度周りを見て、相手方からどう見られるかのあたりをですね、もう少し考えれば、その傾向も変わってくるのかなあと。それが右傾化なのかどうかはありますけど、少しこう短絡と言ったらいいのか、反応が過激だなという気がしますね」