時事放談 トップページ 毎週日曜あさ6:00〜6:45
過去の放送 出演者 時事放談「サロン」 テレビプロデューサーの日々
 
 
第四七六回('13年12月1日 放送)
 「国会大詰めで…」
 ゲスト: 仙谷由人 氏 / 増田寛也 氏

御厨

「まずは仙谷さんにおうかがいしたいんですが。弁護士として、この猪瀬さんの説明をどうみるかですね、都知事選の直前に挨拶に行きました。で、立候補を表明する前日に議員会館で5000万円を現金で受けとりました。で、これは借入金であり借用証もあると。法律的に、どういう問題が発生する可能性があるんでしょう」

仙谷

「これ、いわゆる公職選挙法の上の選挙運動費用なのかですね、それとも選挙に関連するお金だけども選挙運動費用じゃないのかという、最終的な二者択一を検察官として迫られる訳ですね。あるいは猪瀬さんの弁護をしようとすれば、絶対に選挙運動費用にならないようにこれからは物言わなきゃいけないんですよという指導を一生懸命して、今だんだんそっちのほうに寄せていくと、言う感じになる訳ですが、ただ今の時代、司法改革以降ですね、検察審査会の申し立てと言うのを国民が広く出来ることになってますから、常識判断でね、選挙に関係して御挨拶に行ったらですね、その結果として今まで全くお付き合い無かったところから5000万出て来て、それを受け取って約9カ月か10カ月か知りませんけども、問題発覚をしてからお返ししたと言ってるけども、果たしてその通りなんだろうかと。それは借りた金なのかもらった金なのか、選挙費用として提供を受けた金なのか、選挙運動の裏金みたいなもんがあるとは信じたくないですけど、裏金で頂いたのか、まあまあとにかく大きな金が動くもんだねというのがテレビ新聞を見る庶民の感覚ですよね。で、その感覚で告発をされた事件を検察審査会まで行ったとすればですね、多分起訴、不起訴、起訴、不起訴みたいな、よくあるような経過を辿るかも分かりませんけども。なかなか猪瀬さんこの問題通じて政治的な求心力が急にやっぱり落ちるんじゃないかと言う風に僕はやっぱり思いますね」

御厨

「増田さんは前岩手県知事でいらっしゃって、知事選も3回も経験なさった。で、猪瀬さんはあくまでも借入金でそのまま返したとの事ですけど、選挙直前に5000万も提供受けて借入金という主張ってのは。どうなんでしょう」

増田

「私はね選挙のその時に急にそれまで付き合いの無かった人からお金を借りてね、それを選挙と無関係ですっていうのは、それは通らないと思いますね。猪瀬さん自身については私は以前、地方分権推進委員会の時から存じ上げてますけどね。こういうカネの面については極めてクリーンな人だと思ってましたんで、すごく残念ですね。岩手県知事として、もし職員がね、こういう事をやっていれば、5000万円の大金を無利息期限なしの借用証で借りたといったら、それだけでたぶん懲戒処分ですね。しかも職務権があったらひょっとしたら懲戒免職かもしれませんね。職員がそういう事やったらおかしいですもん」

御厨

「なるほど、増田さんこの借用証の問題も、信頼していただくしかありませんと猪瀬さん言ってる訳ですが、結局これ金利も期日も書いていないというね、こういうのはどうなんでしょう」

増田

「借りたものとは思えないですよね、借用証って書いてありますけどね。無利息でそれだけの大金をですね、期限いつまでに返しますという事が無いままね、借用証と言っても通らないわけで、ですから便宜供与を図ってもらったという風に考えざるを得ないんじゃないですかね。私とにかく本人の行為とは別に、今、都知事と言う公職にあるので公職の遂行が極めて困難になるんじゃないですかね。そのことが都民にとって大変な問題だと思います」