時事放談 トップページ 毎週日曜あさ6:00〜6:45
過去の放送 出演者 時事放談「サロン」 テレビプロデューサーの日々
 
 
第四七三回('13年11月10日 放送)
 「イロイロ進む安倍カラー」
 ゲスト: 枝野幸男 氏 / 片山善博 氏

御厨

「まあ要するに、秘密保護法案は漏らしたり、そそのかしたりすると処罰されたりする、いわゆる秘密の指定というものが大臣たちの判断に委ねられちゃう。非常に曖昧であると。で、すでに実は政府の大臣や与党の幹部の発言も迷走していると言う訳ですね。枝野さん、どうなんでしょう。様々なものが秘密になってしまうということを皆心配しているわけですが、この点どうですか」

枝野

「私も官房長官の時に、現在も一応国家機密ってある訳ですから、極秘とハンコの押してある文書などが各省庁からあがってきて、という経験ありました。もちろん今も守秘義務がかかってますから中身は言えませんが、率直に言って何でこれに極秘のハンコが押してあるんだろうというような部分もあります。ただ一方で、これは確かに外に出たら本当に我が国の安全保障上問題だよね、大変なことになるよね、っていうのもありました。やはりどうしても広め広めにかけてしまいがちになるって言うのは、役所の皆さんが悪いんじゃなくて人間の本性、本能なんだと思います。で、そうなると結果的に時間が経つうちに必要以上に広がってそのことが国民の知る権利を害したり、あるいは民主主義の基盤を脅かしたり、ということになりかねない。やはりそこはかなり客観的に絞込みをかけるための仕組みがセットされていないといけないなと思いますね」

御厨

「片山さん、大臣や与党幹部の発言の迷走ぶり、これはどうお考えになりますか」

片山

「結局ですね、この法案というのは昔から官僚主導で作ってきたという経緯があるんですね。で、たまたま今自公政権ですから、担当大臣がこれを担いで国会答弁をする訳ですが、まだ自分のものになってないんですよね。ですから、やはりこのまま行きますとね、本当に大臣が決めると書いてありますけど、これあらゆる法律が大臣が出てくるんですが、お役所の常識は大臣と書いてあったらその役所の官僚たちの権限だと。これは実態をよく表してるんですね。本当は大臣がチェックしなきゃいけないんですけども、そこはなかなかそのメカニズムがきかないということで、官僚たちの恣意的な秘密指定が行われるんじゃないかという懸念は十分あります」

枝野

「今一番極秘のしかも防衛、外交の秘密にかかわる事が40万件ある。ということは政府が言ってる訳ですよ。これ全部ではないにしても、それを大臣がいちいちチエックできるはずがありませんよね。だからまさに片山さんおっしゃった通り、結局は担当の事務方が判断したものに大臣がハンコを押すということにならざるを得ないですよね」