時事放談 トップページ 毎週日曜あさ6:00〜6:45
過去の放送 出演者 時事放談「サロン」 テレビプロデューサーの日々
 
 
第四七〇回('13年10月20日 放送)
 「スタート本格論戦」
 ゲスト: 石破茂 氏 / 前原誠司 氏

御厨

「1日おきと言っていいくらいの頻度でトラブルが発生していると。台風の度に混乱の事態ということになるんですが。石破さん、この状態をどういうふうにお考えになります」

石破

「ですから、海洋がどれほどの汚染状態にあるのかということをきちんと数字でお示しする。ということが最も大事でしてね、汚染水が海に流れたじゃないか、という事実がある。勿論流れないようにするんですよ。これを凍土で覆うかというのは別としてですね、流れないようにすることが大事だ。と同時に、そこの湾内、港の中、あるいは外。そこの汚染の状況がどうであるのかという数字を的確にお示しするということがなければならないし、総理がコントロールされていると言ってるのは何も強がって言っている訳でも何でもなくて、そこの数字というものをきちんと把握した上で発言してることだというふうに私は認識しております」

御厨

「その点なんですけども、結局安倍総理が今も出ました「全体として状況はコントロールされている」と発言をしている。この点、前原さんはどうお考えですか」

前原

「おそらくこの言葉にですね、内閣支持率は高いけれども賛同する人は少ないと思います。これは上げ足を取る意味ではなくて、やはり政府あるいは東電の大本営発表になっているんではないかと、言う思いを持たれてる方多いと思いますね。従って第三者を入れて客観的にやはりどのような状況なのかということを、明確にすることがまず私は第一歩として重要だと思いますので。石破幹事長には是非、そういった大本営発表と思われないような仕組み作り、ご努力頂きたいと思います」

御厨

「まあそして、小泉さんの原発ゼロ発言。ますますボルテージが上がっていますが、これもまず前原さんから伺いましょう。どうでしょう」

前原

「我々は、2030年代原発ゼロを目指すと言うことですから、方向性は一緒です。ただ今までの原子力政策っていうのは2つのフィクションがあったんですね。

ひとつは核燃焼サイクルというものが回るという前提でやられていたということ。これは回っていないんだけどもいつかは回るということで、だから廃棄物は中間処分でお願いしますと、いうことで来ている訳ですね。もうひとつのフィクションというのはバックエンド、つまりは最終処分。これについて問題を先送りしてきたことなんですね。物を食べて、しかしそれをしっかりと最後まで処分する所が無いし、一部の専門家の中では、日本の地層では最終処分に適した場所はないと言ってる人もいるわけで、それをずっとやってきたわけですから。

この原発ゼロということを言うは、我々もこれは同じ問題を抱える訳ですけども、言うのは簡単で、原発稼働をゼロにすることはそれほどに難しいことではありませんが、最終的に廃棄物を含めた原子力のいわゆるフェードアウトというものを、どうこのフィクションを乗り越えてやっていくかということは、そうとう知恵を絞らないと難しい課題だと思いますね」

御厨

「石破さん、どうでしょう。自民党にとっては元総裁、元総理と言う方の発言ですけども、これをどういうふうに。党の方針と違うとお考えか、あるいはどうでしょう」

石破

「それは小泉元総理は今現職の議員ではない訳ですよね。もちろん大先輩でもあるし、党の大功労者でもあるが。昨年の総選挙において我が党が掲げた政策、すなわちベストミックス。再生可能エネルギー、火力、そして原子力。これの比率と言うものを決めるのだと、そして原発の比率を落とし再生可能エネルギーの比率を上げていくのだ。という政策を掲げて今議席を持っておられる方ではない訳ですよ。ですから小泉元総理のご発言で我が党の政策が変わることはありません。

で、再生可能エネルギーっていうのは、太陽光にしても風力にしてもお日様が照れば発電しますが、陰っちゃうと発電しない、風が吹くと発電するが止まっちゃうと発電しない。不安定でありコストが高いということになる訳ですね。蓄電池の技術の開発と合わせて、それを可能にするだけの、不安定でコストが高いそれを導入していくためには経済力が必要でしょ、と言う事になる訳ですね。この理屈はなかなかご理解いただけないし、ご批判も浴びるんだけれども、安心安全が確認された原発に限って再稼働し、経済力を確保し、再生可能エネルギーの比率を上げていくということは私は重要なことだと思います」