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第四六九回('13年10月13日 放送)
 「これでいいのか」
 ゲスト: 野中広務 氏 / 藤井裕久 氏

御厨

「さあ、銀行の世界については野中さんも金融問題にメスをいれられたというそういう経験もおありです。今回の事態のことなんですけども、とにかく暴力団員への230軒、しかも総額2億円を超える融資を把握しながら2年以上放置していたという事態、これ、野中さんどうお考えになります」

野中

「まず、第一勧銀と富士と興銀と、3つが一緒になってみずほがスタートしたんですね。そういう金融機関の統廃合が第一にあると思います。これは組織もそうだし人事もそうだし、完全に一つになるにはなってなかったと。そういう中でね、一概にお客さんを始めから暴力団と分かる状態というのはなかなか難しかったと思います。そう言う点でね、暴力団に融資したというのを一概に批判するのは当たらないと思います。ただ、金融庁の調査を受けて業務改善されてからも尚これを続けて更に改善命令が出されるまで、マスコミに見大きく報道されるまでですね、事態が明らかにならなかったというのは、これは銀行として金融関係のお客さんに対しての背信行為ということになると思うんですね。したがって根本的にスタートをし直さなければいけない。まあ原因は金融再生の時の混乱と荷物をそのまま持ち込んできているというところから考えなくてはいけないと思いますね」

御厨

「藤井さんは大蔵省のご出身ですけども。良い方はアレですが、銀行の裏事情にお詳しいと思いますが。今回の事態、どういうふうにお考えになりますか」

藤井

「私はよく分かりませんけども、さっきのJRの話と逆なんですね、合併による問題だと思いますね。さっき野中さん言われたように3つの合併なんですよ。で3つの合併にあたって、ガバナビリティーがしっかりしてないんだと思うんですが。他も合併してますね、名前は言いませんけども、そこからはあまり問題が出ないでここだけ暴力団の話以外にも内部管理の問題で色々出てるんですね。やっぱりね、相当この3つの銀行の合併の時のガバナビリティーというものの確保が出来ていないというふうに思いますので、これもやはりその責任者は非常に大きな責任を負うべきだと思いますね」

御厨

「今野中さんもおっしゃいましたけど、金融庁の検査で発覚したと。発覚しても中々記者会見をしない。記者会見をしたら今度は役員レベルで情報がとどまっていたと、その後トップまで取締役会で報告を受けていたと、次から次へと前言撤回なんですね。野中さん、これどうお考えですか」

野中

「だから1つの銀行として機能する能力がなかったということになるんですかね。自浄作業が出来なかったというところに問題があると思いますね」

御厨

「藤井さんはいかがですか、このドタバタの背景」

藤井

「やっぱりね、この3つの合併において統一したガバナビリティーが無いって言うのが一番だと思います。他の銀行は何やかんや言いながらもですね、それなりにまとまってきてるんです。名前は言いませんけどね、それがこれだけ出来ていないと言うのはね、3つがバラバラだということと、特に暴力団の関係っていうのは1つのグループが特に関係があったと言われています。私は内部の事分かりません、もしそうであるとするとそれに対する整理が出来ていないというのも、一体となった時の責任者の責任が大きいと思いますね」