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第四五九回('13年7月28日 放送)
 「スタート『安倍本格政権』〜期待と心配」
 ゲスト: 石破茂 氏 / 前原誠司 氏

御厨

「政府与党内には(消費税増税の)見送り論というのがあるということですね。石破さんに伺いたいのは消費税を上げた場合のデメリット。それから上げなかった時のデメリット。これをちょっとお話しいただけますか」

石破

「上げた場合のデメリットというのは、それによって駆け込み需要は増えるがその後がたんと落ちますねと。いうこともあってですね、経済が回復するのを一気に冷やしてしまうと、いうことがデメリットとして言われる訳ですよね。

で、それはそうですかと言う話であって、橋本政権の時を見よと、消費税を3から5に上げたと、そのことによって結局は減収になったではないかと。経済は悪くなったではないかと言われる訳ですね。それはちょっと待って下さいなと。あの橋本政権の時はアジアの通貨危機があり、国内でも証券会社が倒れる等々あったでしょと。あの時よりもはるかに今は財政が悪いですよねと。そして民間の経済指標ってのはあの時と比べて全てが改善していますよねと。だから橋本政権の時ダメだったから今回もというのは議論が短絡的じゃないですかと。今回上げなければ、財政規律と言うものを守る気が無いのだと、いうことで金利が急騰、暴落国債っていうのはあっという間に起こるものです。

ですから、そういうようなことは絶対に避けなければならないのだ。と言う話があり、どっちも人気取りで消費税を上げないとかそんなことを言ってる訳ではない。ではどちらが財政再建のために良いか、財政規律のために良いか、どっちもそれはよくわかってる訳です。財政規律なんかどうでもいいなんて誰も言ってない。ですからね、橋本政権との違いをよく検証することと、消費税そのものは社会保障に充てられるものであって、いっぱい消費税払った人も少なくしか払えなかった人も同じ社会保障を受けられる訳で、一種の累進的な意味をもっているのでね、どうきちんとご説明するかです我々が」

御厨

「前原さんはどちらのデメリットが大きいとお考えでしょう」

前原

「まあ明らかに上げなかった時のデメリットの方が大きいでしょうね。今石破幹事長がおっしゃった消費税上げた場合のデメリット、駆け込み需要とその反動減がくるということですけども、それは私は財政政策で5%上げると約13兆円の税収貰えるわけですから、そこは機動的に財政出動しながらですね、景気をうまくコントロールすると言う事が出来ると思いますが、上げなかった場合。GDPの2.2倍。1000兆円の借金があって、金利が収まってるから何とかなってる、それでも税収と国債発行額同じですよ、こんな国はありません。これでもし上げないと言う決断をした時には国債の格付けが下がる、金利が上がる。まあ国債が下がって金利が上がると。暴騰とか暴落とかそういうことにはなりはしなくても1000兆円と言うボリュームがあるので、ちょっとでも金利が上がっただけで、それでもう借金を返す額がそれだけ増えてくる。で、国債が下がると金融機関はそれを持ってるわけですから。そうすると自己資本比率は下がる、そうすると貸し出しが減る、そうすると経済にマイナスの要因になる。と言うことで消費税を上げるマイナスと消費税を上げなかった場合に様々な経済、今の日本の所用の状況の下で色んな変数が起こすリスクの方が圧倒的に大きいと思いますね」