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第四五八回('13年7月21日 放送)
 「今日から何が始まるのか」
 ゲスト: 武村正義 氏 / 片山善博 氏

御厨

「福島の例の汚染水漏れ問題などがまだ続いている状況であってですよ、一気にこの再稼働申請ラッシュという事態をどうご覧になりますか」

武村

「私も個人としては正しい原発もゼロにせよとは言いません。厳しい審査の上で一部の原発は認めざるをえないかなと思っている一人なんですが。それにしてもこの昨今の再稼働の動きは何かバタバタっといきなり出てきて。例の原発輸出と両方のアプローチは何か荒々し過ぎるというか。もう少し慎重に時間をかけてアプローチすべきでないかという風に思っております」

片山

「私も、ちょっと手順についてちょっと首を傾げざるを得ないようなところありますよね。と言いますのもね、例えば湯気が立ったとか汚染水の問題なんかも片づいてないし、もっと言えば福島第一原子力発電所の事故は地震によって起きたのか津波によって起きたのかっていうのがまだ解明されてないんですよね。そうすると原因が分かればそれに対してどう対応するのかって言うのが基準に反映されるんでしょうけど事故の原因が分からないまま新しい基準作りましたから大丈夫ですと言われても、にわかに信じがたいところがあるんですね。ですから、まずやっぱりあんな事故起こしたんですからそこを解明して、それからどうするかって事を考えるっていうのが手順だと思うんですがね」

御厨

「武村さん、電力会社は規制委員会から様々な指摘を受けてるわけですね。このことについてどう思われます」

武村

「ですから安全審査委員会が、申請書を見てすぐに不備が指摘されてますね。そういう種類をそもそも受け付けるのは如何なものかと。活断層の問題とか津波の問題とか基本的な条件をパスしてないものは申請をむしろ受け付けない方が良いのではないかとさえ思いますね」

御厨

「片山さんどうでしょう。こういう指摘を受けるであろうと言うことは分かっていたはずなんですね。分かっていながらそのまま申請するっていうね」

片山

「そうですね、これだけ大騒ぎになって。満を持して電力会社は出されていると思うんですけど、しょっぱなから指摘をいくつも出されるって言うことは、必ずしも満を持してなかった。高をくくってたのか、それとも鈍感なのかですね。ちょっとこれはやはり該当の電力会社の姿勢を疑われますよね。これだけの経緯を経たんですから、とりあえずは文句を言われないというのを作ってると思ったんですけどね。そうじゃなかったですね」

御厨

「関電の場合ですが、関電は件の災害想定より低い想定が問題だよというふうにこれまで指摘されていたわけですね。そのままその低い想定で申請をしちゃったと。これはどうなんですかね」

武村

「私は特に若狭湾は原発銀座だとか言われて沢山の原発が並んでますが、隣に住んでますからすごく不安ですね。だから今の津波の話しもね、もう7m何十センチと言われてるのに3、4mくらいで申請すると。なんかすごく強引な感じがしますね。だから活断層の問題もありますから、日本原電なんかは真っ向から否定しますけど。これも為する議論をやってこられたんでは困る訳で、真剣に取り組んでほしいですね」

片山

「新潟の知事が仰ってることで、私も知事経験者としてなるほどなと思うんですが、かつて国が原子力の安全は守るんだと、確保するんだと、まかしとけと言う体制だったのにこんなふうに事故になった訳ですよね。それで改めて安全基準作って再審査しましょうってことですけども、地元にこういう安全基準でやりますからという相談くらいはしてもよかったんですよ。だって被害を受けるのは地元ですから。ところが国が安全は専門的見地から確保するんだと、地元は関与しなくて良いんだと、言うような態度っていうのは地元の知事さんは納得いかないところあるんじゃないでしょうか」