時事放談 トップページ 毎週日曜あさ6:00〜6:45
過去の放送 出演者 時事放談「サロン」 テレビプロデューサーの日々
 
 
第四五一回('13年6月2日 放送)
 「乱高下」の中で…
 ゲスト: 武村正義 氏 / 片山善博 氏

御厨

「なにしろ株は去年の11月の就任以来、半年で8割高になった訳ですね。それが一日で1400円暴落して。そしてその後も乱高下が続いていると、これについて武村さんどうご覧になりますか」

武村

「まあアベノミクス全体が乱気流に入っている感じもしますね。これは株が1番分かりやすい動きをしていますが。乱気流という意味では。でも為替だって円高に揺れていますしね。でも長期金利も結構変動、上限していますから。結局、ヘッジファウンドという言葉がありますが、世界の投機筋がたくさんのカネを握っていてそれであちこちでカネを動かしていると。日本の株にも何兆円と言う投機筋のカネががっと入ってきて、彼らがさっと引き揚げると日本の株が下がると。日本政府の及ばない世界が日本経済の指標に関わっていると言う現実ですね。だから私は安倍さんや黒田さんがいくら胸を張っておっしゃっても「社会主義の国じゃありませんよね」と。そんな政府の考えだけで簡単に市場経済はコントロールできますか、と問いかけたい気持ちになりますね」

御厨

「なるほど。片山さんね、乱気流に突入したらその「航行上の安全に問題はない」と言われてもですね、かえって飛行機が乱気流の中に入った時のことを思い起こすと「大丈夫かな」という感じがしないでもないですけどね、どうですか」

片山

「飛行機でよくありますよね、「ご安心ください」って、ありますけど。でもその飛行機の中でも不安なんですよね、本当に大丈夫なんだろうか、気休め言ってんじゃないだろうか。しかもいま武村先生がおっしゃったように、世界の投機筋の動きとか見ますとね、甘利さんがパイロットとして、自分だけで制御できない面が多いわけですよね。ですから、甘利機長が「安全です」と言ってもにわかに信じがたい面があります。それからもう1つは、日本の国内で言いますといま金融緩和で大量の円を市場に供給し続けてますよね。それは決して設備投資とか、企業の活動の方に向いてないんですよね。それは土地に向かうか、株に向かうか、貴金属に向かうか、です。しかもそれは実需ではありませんから。本当に欲しくて買ってるわけじゃありませんから。上がるだろうと思って買っている投機ですから。そうすると様子を見ながらさっと引くとかですね、まさに乱気流を生み出す気候条件を政府の方が作り出しているんですよね。だからしばらくは続くと思いますよね。こういうふうにね」